21世紀航海図;歴史は何も教えてくれない。ただ学ばない者を罰するだけ。

個人の時代だからこそ、個人を活かす「組織」が栄え、個人を伸ばす「組織」が潤う。人を活かす「組織」の時代。

多角貿易

2007年10月01日 07時46分11秒 | Weblog
 「二カ国間貿易」の時代には、相手国の経済が冷え込めば、貿易も冷え込み、自国の経済も落ち込む、って言う単純構成だった。
 「三角貿易」の時代には、一国の経済が冷え込む事によって、その国の輸出入に影響が出て、直接的に第二カ国目に影響を及ぼすだけでなく、二カ国目の経済の冷え込みを通して、第三か国目の経済も冷え込む、っていう状況が生まれてきた。

 現在は、「多角貿易」の時代で、一つの国の経済の落ち込みが、回り回って数多くの国に影響を与えるようになっている。日本の貿易黒字の相手国は数カ国に分散しているが、これは世界経済への依存度が低い”と言う事にはならない。逆にアメリカの貿易赤字の相手国も数カ国に分散しているが、これも「米国住宅バブルの崩壊」の影響が分散され縮小すると言う事ではない。

 例えば、アメリカが中国からの輸入を減らせば、中国の「日本」や東南アジア、欧州からの輸入が減るだろう。そうなれば、欧州は「日本」、東南アジアからの輸入を減らさざるを得ないだろうし、東南アジアも「日本」からの輸入を減らすだろう。。。。。。多角貿易を通じて、世界経済の相互依存度は高まっている。


 ってまぁ、悲観的な考えはそこで置いておいて、楽観的な見方をすると。アメリカが中国からの輸入を減らしても、中国が「国内消費」を拡大すれば中国の輸入量の減少は最小に抑えられる。同時に、輸出量の減少が軽微ならば、欧州も東南アジアも「国内消費」を伸ばす事で乗り切れるだろう。さらに、各国が国内消費を伸ばして、世界貿易への影響が最小化されたならば、日本の貿易への悪影響も、日本の国内消費を拡大させる事によって、簡単に乗り切れるはずだ。

 まぁ、世界の見方は色々ある。