21世紀航海図;歴史は何も教えてくれない。ただ学ばない者を罰するだけ。

個人の時代だからこそ、個人を活かす「組織」が栄え、個人を伸ばす「組織」が潤う。人を活かす「組織」の時代。

核抑止力

2006年08月17日 20時38分04秒 | Weblog
 アメリカ/イスラエルが国際世論を気にして、核兵器を中東で使わない理由は理解できないことも無い。何となくだろう。

 実際、中東で核兵器が使われない理由は何故だろう? 現実には全く「核兵器」が使われていないわけではない。アメリカ軍がイラクで使っているとされる「劣化ウラン弾」は放射性廃棄物の一種で、これに含まれる放射能はイラク市民の健康だけでなく、米軍の健康までも傷つけている。
 米軍兵士は市街地でのゲリラ戦で苦労していると言うが、その都市を核ミサイルで吹き飛ばしてしまえばどうなるのだろうか? 「近代戦」においては、市民の犠牲は戦争の当然の副産物だ。(イラク戦争は近代戦でなく、「ハイテク戦争」らしいけど) 東西冷戦の時代と違って、核ミサイルの使用に対抗してアメリカに核攻撃を仕掛ける国は限られている。イギリス/フランス/イスラエルが米国を核攻撃する可能性は無いし、インド/パキスタンには、核兵器を当初の目的以外に無駄遣いしたくないだろう。ロシア/旧ソ連各国にとっては、クーデターを起こすかもしれない国軍に核兵器を使用させたくは無いと思う。アメリカ市場への輸出に経済発展を頼っている中国政府にとっても直接攻撃されたわけでもない時点で、アメリカには手を出せない。下手をすれば、中国共産党は地元経済人との軋轢で自滅することにもなりかねない。(『核抑止力』って何だ?????)

 今の所、政治的にアメリカを核攻撃できる国はイランか北朝鮮ぐらいだ。(本当に「使用できる核弾頭」と「十分な飛行距離を持ったミサイル」があればの話だけど)しかし彼らの持っている核ミサイルの数は多く見積もっても10基程度、とてもじゃないが「アメリカ本土」は破壊できない。それどころか米軍のプレデター/パトリオットミサイルで空中破壊される可能性もある。とてもじゃないが、『核兵器の使用=人類の絶滅』の冷戦の時代は終わってしまったと考えるのが良いだろう。
 今、アメリカは核兵器を使用できる軍事的状況にある。そして、テロリストもまた、彼らには守る必要のある土地が無いと言う意味で、「核抑止力」の影響を受けない。彼らが核兵器を手に入れることが出来たのなら、きっと使用するだろう。
どうも、「核戦争」の時代が来たような気がする。(のは、私だけでしょうか?)