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鈴木優人指揮のN響

2024-06-20 10:08:32 | 音楽
6月19日(水)の夜にサントリーホールで、N響を聴く。鈴木優人指揮で、ヴァイオリンのソリストがイザベル・ファウスト。7時開演で、20分の休憩を挟み、終演は9時10分頃。9割程度の入り。

曲目は変な組み合わせで、最初にウェーベルンの「バッサカリア作品1」、続いてシェーンベルクのヴァイオリン協奏曲。休憩の後、ウェーベルン編曲による「バッハのリチェルカータ」、最後にシューベルトの交響曲第5番。前半は20世紀前半のいわゆる十二音階技法による曲、後半は調性のある作品。なんで、こんな変な組み合わせなのか、理解できなかった。こうしたプログラムを組んだ人が、きちんとその意図を説明すべきだろうが、当日配られたリーフレットには、何も説明がない。プログラムノートは、まったく的外れな説明がなされているので、呆れてしまった。

前半のヴァイオリン協奏曲は、イザベル・ファウストの独奏で、音が美しい。しかし、曲が全く面白くない。あまり演奏されない珍しい曲だが、演奏されない理由がよく分かる。ブラヴォーと叫んでる人もいたが、本当に良かったと思っているのだろうか、疑問に思った。イザベルはアンコールで、イタリアのヴァイオリニストが作曲した小品を弾いたが、繊細で澄んだ、柔らかい音色で、素晴らしい演奏だった。こういう音楽が聴きたいと思った。

後半はバッハのリチェルカータで、ウェーベルンがいじっているが、最後はバッハらしい響きがあり、楽しんだ。メインのシューバルトの交響曲第5番は初めて聞いたが、弦楽器中心で、管楽器は木管とホルンで7本だけ。打楽器もなく全編を通して美しい響きの曲だった。僕の中ではこのシューベルトの美しさを際立たせるために、前半に十二音階の変な曲を聴かせたのだろうと理解した。それにしてもへんてこなプログラムだ。

帰りがけにいつものスペインバルで軽い食事。トルティージャ、ハモン、いわしのエスカベッシェ、サーモンとチーズのパテ、豚ヒレのカツ。飲み物はワイン各種。

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