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オペラ、バレエ、歌舞伎、文楽などの鑑賞日記です

文京シビックホールの「椿姫」

2024-02-19 14:50:53 | オペラ
2月18日(日)の昼に文京シビックホールでヴェルディのオペラ「椿姫」を見る。いわゆる「市民オペラ」で、1回公演だが人気があるようで満席だった。東京都の各区は、規模の違いはあるが、区民オペラを上演しているところが多いようだが、文京区の区民オペラは比較的水準が高いらしいと聞き、見に行った。2時の開演で、15分おt20分の休憩を入れて、終演は5時ごろだった。

主催は文京シビックホールで、製作はNPO法人のCittadinoオペラ振興会となっており、形式的にはCittadino歌劇団公演に、文京区民が参加するという形式のようだ。今回が22回となっているので、それなりに続いてきた企画だ。過去の上演作品を見ると「カルメン」を2回、グノーの「ロメオとジュリエット」を1回上演した意外は、すべてイタリアオペラで、ドニゼッティ、ベッリーニ、プッチーニ、ヴェルディが中心。

結構本格的な公演で、オケは寄せ集めだがプロの2管編成、6人のバレエダンサーも入り、豪華ではないがきちんとした装置が作られ、衣装もきちんとしていた。問題の歌唱は及第点で、若いヴィオレッタとヴェテランのアルフレードが、見事に歌ったほか、ジェルモンが堂々とした歌声で聴衆を魅了した。このホールでオペラを聴いたのは初めてだが、コンサートホール用に合わせたのか、残響が長めなので、オペラでは少し気になる。感覚的には2秒近い残響がありそうだ。オペラの上演では1.5秒以下が望ましいと言われているので、可変できると良いのだが、そう簡単なことではないのかも知れない。

演出はオーソドックスなもので、台本に忠実。ひねりがないので実に見やすい舞台だった。ある意味、村上敏明がボロボロの歌を聴かせた「ファウスト」などよりも、よっぽどまともな上演だった。これで、価格が安いので人気が出るのも当然だと思った。

区民の参加は合唱団で、総勢100人ぐらいの大合唱で、区民コーラスとはいえ、すごい迫力だった。特に2幕最後の大合唱など、規模の大きさだけで圧倒するような舞台で大いに楽しんだ。

出演者はすべてオーディションで選んで、半年ぐらい練習するようだが、これだけの作品に仕立て上げた、スタッフに敬意を表したい。

家に帰って、簡単な食事。スペイン産サラミ、イタリア産ボッタルガのスライス、サラダ、ホタルイカのパスタなど。飲み物はカヴァ。

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