『婦女』(中村大三郎)。モデルの女性は映画女優の入江たか子。
『雲南の少女 ルオマの初恋』を観るため、久し振りに恵比寿ガーデンプレイスに行きました。朝からとても気持ちのいい風が吹いていて、一日中ここにいてもいいくらい。なんでこんなに心地好いのだろう?
午前10時。雲ひとつない青空の下、強烈な日差しを浴びて、建物が真っ黒に日焼けしてしまった。(これだけ日差しが強いと、陰も強調されてしまいますね)
JR恵比寿駅から屋内の「動く歩道」を幾つか乗ると、ガーデンプレイス正面の交差点に出る。時期柄、歩道の脇にアジサイの鉢がたくさん置かれていて、目を楽しませてくれた。
(左)センター広場に落ちたアーケイドの格子縞の影。まるでチェス盤のようだ。『鏡の国のアリス』ごっこでもしたくなる? 広場の中心に設置された「5つの花壇からなる夏の花壇 ~虹色の庭」は期間限定の試み。(この写真だとちょっと遠いけど)
(右)センター広場に続く坂道と、背後に広がる見事な青空。「風の通り道」と勝手に呼んでいる。「虹色の庭」には、ニューギニア・インパチェンス、バーベナ、フクシナなど、夏の花を咲かせた(ここの花はそれほど見なかったけど・・・)。夜17:30~22:00まで、ライトアップも行われるとか。南国ムードたっぷりだろうなあ? 行ってみたい!
坂道の両脇には水路があって、いつも水が流れている。丸い花壇がゆらゆら水面に浮かんでいた・・・。センター広場には、座り心地の良い木のベンチと、柱の脇に石のベンチがある。朝のうちは空いていたが、お昼になると、ほぼ満席・・・。このアーチ形のアーケードが、なぜだがわからないけど、好きでたまらない。昔から商店街のアーケードが好きで、いつか巴里のパサージュを歩いてみたいと、夢見るニワトリだった。永遠に失われてしまう前に・・・
ピンクのマーガレット?と、謎の洋館=シャトーレストラン〈ジョエル・ロブション〉。ガストロノミーでジョエル氏自慢の18皿のコース料理を堪能。ラ・ターブル・ドゥにはカジュアルなランチもあり(両方とも行ったことありませんが・・・)。この建物を見ると、メルボルンの街を思い出すニワトリだった(行ったことのある数少ない異国の街なので・・・)。青春の思い出?
映画を観終わった後、この回廊を通って、ガラスの滝の前(ガーデンタワー側の水路)から坂を登って、サンジェルマンでお昼を買い、空いたベンチでひとときを過ごしました。からっとした空気と風が何とも気持ちが良く、いつもだったら、向かいの三越でウィンドウ・ショッピングを楽しむのですが、この日はずっとベンチに座って、今見たばかりの映画のことを考えていました。
次の目的地は、裕美さんのリクエストにお答えして?目黒にある旧朝香宮邸=東京都庭園美術館です。恵比寿駅に戻るのも癪に障るので、そのまま山手線に沿って目黒方面に向かって歩いていきました。実はこの近所に、翌朝日曜日に放送されたNHK「小さな旅」で紹介された入澤さんのバラ園があったんですね~。非常に近くを歩いていたのに遭遇できませんでした。バラ園の話は後ほどすることにします。
アール・デコ様式を取り入れた邸内は実に素敵なのですが、撮影禁止なので(正面玄関の、ルネ・ラリックが作ったガラス・レリーフ扉だけは撮影可?)公式HPなどでご覧ください。公式HPは、 → ここをクリック
7月1日まで、ホノルル美術館所蔵の『大正シック』展が開かれています。大正浪漫というと、明治と昭和にはさまれた幸福な時代というのが一般的でしょうが、特に女性が各方面で活躍した時代でもありました(昭和になって、再び家庭へ追いやられる)。その時代が、外国人のフィルターを通過すると・・・文化とは誤解だったりして・・・でも、だからこそ面白かったり、新たな発見があるのだと思います。
日本画・着物・工芸品など80点が朝香宮邸内に飾られています。思わず見とれてしまう(隣に展示されている下絵も)『婦女』や、『三人の姉妹』など、不思議で素敵な「大正シック」、機会のある方は是非ご覧ください。(東京都庭園美術館のHPからも、いかれます)
(左)シンプルだけど美しい版画『婦女四題 秋』
(右)ガレのガラス工芸にも通じる〈蜻蛉〉の単衣
見事な紫陽花と、今年も咲いた紫の薔薇