皇居一周 ~平川門と東御苑

2007-06-28 23:55:00 | 日常&時間の旅


                                          


 国立近代美術館でアンリ・カルティエ=ブレッソン展と常設展を見終わって表に出ると、うまい具合に雨が上がっていた。ここから200mほど先に見える大変美しい平川橋を渡り、平川門をくぐった先にある受付で番号札をもらって、いよいよ江戸城内(皇居東御苑)に入った。
 平川門は、死者や罪人を通したため「不浄の門」と呼ばれていたらしいが、当時の姿がそのまま残っている唯一の門(白木の橋・高麗門・渡櫓)として、大変貴重な遺構になった。大奥女中の通用門でもあり、門限に遅れた春日の局(三代将軍家光の乳母)がここで夜を明かした逸話も残されている。




                   

 石垣を縫うように城内を歩き、梅林坂を上ると、巨大な天守閣跡が現れた。五層六階の天守閣は天守台を含めて60mに達したらしいが、石垣の大きさから在りし日の姿を想像できる。東京に暮らして数十年、初めて目の当たりにした江戸城だった・・・


                   



                   

 天守台の大きさは、東西南北41m×45m、高さ11m。築城時は14mあったらしい。この基礎の上に、高さ51mの五層六階建て天守閣がそびえていた。半分以上が外国人、それも世界各国の人々が集まっているかのような国際色豊かな光景に、ここが日本であることを忘れそうになる。どうしても東京オリンピックをやりたいなら、天守閣を復元して欲しい(浅草十二階も)。皆、喜ぶぞ~♪
 石垣の色や形は殆どアートだけど、現代にも通用する高度な建築技術に、驚嘆するばかりの文系ニワトリだった。天守台から、本丸跡の芝生を見下ろした。わざと石垣を入れると、こんな感じ。
 皇居東御苑は、江戸城の本丸と二の丸跡(一部三の丸跡)を公園化して一般に開放したものだが、日比谷公園を凌ぐ21万㎡もの広さがあり、ここを回り切るだけでも有に1時間は必要で、今更ながら江戸城の巨大さを実感した。
(それは当然、江戸城は世界最大の敷地面積を誇るお城だった!)
 私は裏口?の平川門から入ったが、各藩の大名や武士たちが登城した大手門や、北詰橋門からも入苑可能。入苑料は無料だけど、年末年始とウィークデイの月曜日&金曜日、催事などがある日はお休みなので、お出かけ前に確認を取った方がいいかも・・・


                   



 かつて松の大廊下があった場所。今では『第九』と並ぶ年末の代名詞になった『赤穂浪士の吉良邸討ち入り』の原因となった刀傷事件が起きた。松の廊下側から本丸を見ると、こんな感じ。芝生の向こうに大奥があった。「大奥跡」の碑が立っている。


     

(左)かつて皇居正門石橋(二重橋のことだと思う)にあった街灯。
(右)江戸城遺構で唯一残った三重櫓の富士見櫓。正面から見たい・・・


                   



 二の丸庭園は小堀遠州が設計した回遊式庭園を復元したもの。こんな立派な庭園が東京のど真ん中にあったとは・・・




                   



 諏訪の茶屋(他に、百人番所というのもある)と、木立の下で談笑する婦人。私のような「おのぼり」さんではなく、自分の庭のように風景に溶け込んでいた。二の丸庭園には〈都道府県の木〉というユニークなコーナーがあって、47本の木が植えられている。今、話題の宮崎県の木は?(答え=フェニックス)
 最後の写真は、メジャーで石垣の大きさを測っていた男性(推定60歳。こういう大人に私はなりたい)。私が天守閣跡を訪ねたときは反対側を計測していたが、それから2時間近く経過してここに戻ってきてもなお・・・何だか知らないけど、感心した!
 すごいすごい~♪



 二時間前は、ここを測っていた・・・