古来から旅人の人気の的だった帚木の木。そこをめざして登る。
時を経て世代交代をしながら遺されたひのきの木。
案内ガイドの林さんの後に長い列が続く。
いきなりのの急登だ。久しぶりの山道。衰えた脚を励ましながら行く。
時を経て世代交代をしながら遺されたひのきの木。
枯木は次世代につなぐ。
園原や伏屋におふる帚木のありとは見えてあはぬ君かな
帚木の遠くからは見えるが近づくと見えない。その特徴を人に
なぞらえている。
近づいても会えない人、会えそうで会えない人のイメージを帚木に
重ねる。
平安時代この木の幻想的なイメージが都で受け入れられ、
多くの歌が詠まれた。園原も伏屋、御坂の言葉も歌枕に。
平安貴族の中で注目を集めた。
その最たる物語が「源氏物語」なのである。
(つづく)