仕事の成功を祝って、かつ再会を祝って、香港のKと上海の街へ繰り出す。
Kはセールスマンというよりも、中国のテレビに出てくる芸人とのような風貌で、話題も豊富だし、いい男の部類に入るが、幼少時代は当時の香港では物騒と言われていた旺角の裏町で育っていて、今でも黒社会の皆さんとは相当な繋がりがある。(と、いってもメンバーが幼馴染や、当時遊んでもらった、アンちゃん達なので、犯罪とは無縁なのだが・・・)
ある意味、遊びを知り尽くしたKを連れて、これまた新興の魔窟上海の夜を徘徊する。
まずは食事。
前から見たいと言っていた僕の上海のお嬢さんにも一緒に来てもらう。
今回は、お気に入りの蘇州料理のレストランで食事にする。
川海老のスープや、豚の煮込みなど、久々の料理を山盛りにしてご馳走する。Kの好きな海老のお茶煮込みも忘れてはいない。
Kも今回来れなかったJもビール党なので、予めビールを冷やしておくように、レストラン予約の際に伝えておいたが大丈夫かな。中国ではこのへんも気をつけておかないと、冷えたビールはすぐに売り切れてしまい、あとは生ぬるいビールということも珍しくないからなあ。
「かんぱーい!」
「いや、たーさん。Jが来れなかったのは残念としか言いようがないけど、中国の料理もなかなかいいセンにきてるんだねえ?こいつあ、うまいよ。」
「香港で食べつけると、広東省の料理は食えたもんじゃあないけど、さすがに上海あたりだと、うまいよ。さすがに川だから、海鮮はいただけないけどね。」
「薄味かと思えば、結構しっかりした味付けなんだなあ。」
「知っての通り、俺も味付けは濃いほうが好きだから、ちょうどいいのさ。」
「これなら、充分だ。実はもっとまずいかと思ってたよ。」
「これからは、今回の仕事のケアもあるから、ちょくちょく来れるだろ。」
「うーん、まあ、そうだといいけどねえ。現地の連中に任せることになるだろうなあ・・・。」
「とはいえ、奴らだけではちょっと厳しいぜ。」
奴らというのは、メンテナンスを引き受けた会社のことだ。
「と、思うんだよね。俺も。」
「Jにも言っとくけど、ま、悪いことは言わないから、たまには様子を見にきたほうがいいね。」
「そうしたほうがよさそうだなあ・・・。」
「ま、決まったばかりで、あとのことを心配しても仕方がない。今日はのんびり行こう。」
「そうしますか。」
案の定というか、冷やしておくように伝えておいたビールが終了したというお嬢さんの声をきっかけに結帳。
さて、夜の帳もうまい具合に下りてきたので、日本人カラオケと中国カラオケどちらがいいか?というオファーを
してみた。横では、彼女がきつーい目でこちらを睨んでいるけど、関係ないもんね。
「日本人クラブって行ったことがないんだよ。どんなとこだろ?興味ある。」
ということで、中国カラオケはいつでも行けるので、日本人クラブへ行くことにした。
こちらのお嬢さんはここまで。
これからは男同士の時間なので、先に帰ってもらうことに。
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