日本人クラブでご機嫌のK。
「たーさん、そろそろ2時間も過ぎるけど、延長のサインはないの?」
「そんなのないさ。一人頭RMB200だけ。あとはチップもいらないからな。渡すなよ。」
「そうなのか?いやー、いいシステムだなあ。香港にもあるといいのに。」
「あるけど、高いさ。韓国クラブのほうが質はいいみたいだけど。上海は過当競争気味だから、相当いいのを揃えないと、金はとれないさ。」
「そうなのか・・・、じゃあ、あとはボトルだけだよね、かかる金は。」
「そうなるね。」
「よーし、んじゃあ、ボトルもう一本持ってきて!それとお嬢さん達にワインだ。ガンガン飲むぞー!」
大喜びのお嬢さん達。
「あのねえK,そんなおのぼりさんみたいに。」
「いいんだよ。Jから飲み代は全部こっちで持てって言われてきてるんだけど、大分予算を下回りそうだから。」
「香港予算で組んできたんだったら、高級カラオケ店のほうが良かったか?」
「そいつは次回の楽しみにとっておこう。Jも一緒でないとね。今夜はゆっくり飲もう。」
パーティルームということもあって、回りに気を遣わなくていいので、たちまち始まるドンちゃん騒ぎ。
これじゃあ、やってることは中式カラオケと大差ない。
まあ、いいか。久々に会えたのもあって、こちらもいい機嫌だし。
そうこうしながら、俺達も飲む。
お嬢さん達も飲む。
飲んでは騒ぐ。
騒いでは飲む。
いい加減酔いが回ってきたところへ、ママがやって来た。
「たーさん?」
「おう、ママどうした。今夜は飲んじゃえ!」
「呼ばれるけども、さっきPさんから電話があったんだけど、たーさんが来てるってお店の子が言っちゃったのよ。まずかった?」
「えっ?台湾人のPかい?」
「そう。」
「そりゃあ、まずいなあ。あいつのこったから、来るぜ。絶対。」
「ごめんなさいね。」
「いいさ。あそこから来るとすると、車で30分位かかるだろうから、その前に退散するとしようか。お客さんもいるしね。」
「ワインのほうはサービスにしとくわ。ごめんなさい。」
「おーい、K。お楽しみのところ悪いけど、引き揚げようか。」
「ええーっ!まだ早いじゃないか。」
「まあまあ、いいから。」
さて、このやりとりから、マイタンをお願いして、伝票が来るまでほんの15分ほど。
30分はたっぷりかかる距離にいるはずのPの顔がガラスのドア越しに覗いている。
「あらーっ!P」
「たーさん、水臭いじゃあありませんか?お誘いなしとは。」
「いや、今日は香港のお客さんと一緒なんだよ。」
「あっ!こいつあすいませんでした。お邪魔しちゃって。」
「まあ、いいよ。紹介しておく。香港のK。こちらは台湾から左遷されてきたPだ。」
「左遷とは厳しいなあ・・・。」
「K聞いてくれ。Pは、いつまでも独身で遊びまわってるもんだから、老板がね、上海行って嫁でも探して来いって言われて、こっちの工場を見てるんだ。」
「へえ。」
お互い紹介したのがまずかったのか、すっかり二人とも一緒に飲む気らしい。作戦失敗か?
結局Pも合流してしまい、さらに2時間ほどを大騒ぎする羽目に。
まあ、いいか。
つづく。
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