アーバンライフの愉しみ

北海道札幌近郊の暮らしの様子をお伝えしています。

感動作~小池真理子著「沈黙のひと」

2013年08月30日 | この一冊
正真正銘の「プロ作家」が実父の老後を詳細に綴った感動の物語です。「オール読物」11年4月~12年6月(11年10月を除く)連載、第47回吉川英治文学賞受賞作。



物語~自分と母を放り出して他の女性に走っただけでなく、二人の娘までもうけた父は、リタイヤ後パーキンソン病を発症。言葉も読み書きも失った・・・

こうして、「沈黙のひと」となった父だが、85歳でこの世を去った後、彼の古いワープロに残された文章の数々は、逆境の中にあっても、決して衰えることのなかった短歌創作への意欲と「オス」としての執念を伝えるものであった。

小池氏の実父、小池清泰氏をモデルとした壮絶な「老いとの闘い」は、明日はわが身でもあり、身につまされるものがあった。ご一読をお勧めします。

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