"国難に直面したとき、人々が熱望するのはファシズム。大戦前夜の満州を描く入魂の書き下ろし750枚"とのキャッチが踊る船戸氏の「満州国演義」第6巻425頁の力作だ。
物語~敷島太郎(長男)は、新京政府(満州国)の国務院外務局政務処長としてめまぐるしく変転する国内外の情勢に翻弄され、次郎(次男)は匪賊家業を捨て、今は徐州攻防戦や武漢攻略戦を傍観しながら無聊をかこつ。関東軍の憲兵大尉三郎(三男)は、反日武装闘争を推進する抗日連軍との死闘を繰り広げていた・・・。
この第6巻は、日中戦争が南京大虐殺(第5巻)を経て徐州・武漢攻防戦と泥沼化する中、モンゴルとの国境において、ソ連の近代的機甲部隊に火炎瓶で対抗しようとした関東軍が完膚なきまでに叩きのめされたノモンハン事件までが詳述され、日中戦争の何たるかを理解する上で、格好の読物となっている。
昨今、尖閣諸島をめぐり日中関係が悪化しているが、こうした日中間の不幸な歴史を正しく理解することなしに、真の日中友好はありえないと思った。
物語~敷島太郎(長男)は、新京政府(満州国)の国務院外務局政務処長としてめまぐるしく変転する国内外の情勢に翻弄され、次郎(次男)は匪賊家業を捨て、今は徐州攻防戦や武漢攻略戦を傍観しながら無聊をかこつ。関東軍の憲兵大尉三郎(三男)は、反日武装闘争を推進する抗日連軍との死闘を繰り広げていた・・・。
この第6巻は、日中戦争が南京大虐殺(第5巻)を経て徐州・武漢攻防戦と泥沼化する中、モンゴルとの国境において、ソ連の近代的機甲部隊に火炎瓶で対抗しようとした関東軍が完膚なきまでに叩きのめされたノモンハン事件までが詳述され、日中戦争の何たるかを理解する上で、格好の読物となっている。
昨今、尖閣諸島をめぐり日中関係が悪化しているが、こうした日中間の不幸な歴史を正しく理解することなしに、真の日中友好はありえないと思った。