「現代最高のベートーヴェン弾き」のキャッチが踊る2枚組LP。
何気なくラックから取り出して来て聴いたのだが、そのピアニズムの美しさにしばし陶然となった。
正直、これほど美しいベートーヴェンのP協を聴いたことがない。
録音の仕方にもよるのだろうが、ピアノがオーケストラの一部のように完全に融合した状態での協奏曲なのだ。
特に、3番と4番が良い。
フリードリッヒ・グルダ(1930 - 2000年)はオーストリアの出身で、ベートーヴェン、バッハ、モーツァルトの演奏を得意としたが、ジャズにも造詣が深く異色のピアニストと呼ばれた。
共演は、ホルスト・シュタイン指揮のウイーンフィルハーモニー管弦楽団である。