青春タイムトラベル ~ 昭和の街角

昭和・平成 ~良き時代の「街の景色」がここにあります。

眠れぬ夜に “ドラキュラ” はいかが?

2024-07-04 | 青春・名画劇場

夏になると80年代ホラー映画ブームを思い出します。70年代の「ゾンビ」「悪魔の墓場」「悪魔のいけにえ」がそれまでのホラー映画の流れを変え、80年代に入り「13日の金曜日」を皮切りに、俗に言うスプラッター(血しぶき)映画が大流行しました。ヒロイン達が叫びながら逃げ回り、お色気シーンと残虐シーンがお約束で、映画館が遊園地のお化け屋敷になっていました。作品的には、今もう1度観たいと思うものはありません。

でも、今もう1度観たいと思って観たのは・・「ドラキュラ」、俳優クリストファー・リーが演じるドラキュラ・シリーズです。子供心に本当に怖かった。ドラキュラが家に来ないように、にんにくを窓際に置いたり、十字架を手に入れようとしたり。子供の時、あんなに怖かった映画、今観ても怖いのだろうか?という思いから、60年ぶりに鑑賞しました。

クリストファー・リーのドラキュラシリーズ第1作「吸血鬼ドラキュラ」は、1958年の作品でした。子供の時は白黒で観た記憶がはっきり残っており、白黒映画だと思っていたらまさかのカラー映画!僕が初めてこの作品を観た時、自宅のTVがまだ白黒テレビだったから白黒映画と思っていたのでしょう。カラーだと血の色や、ドラキュラの生贄になる女性の白い肌が対照的で余計に迫力があります。

ドラキュラに噛まれる時の女性、ドラキュラ伯爵に魅入られたかのような表情で、中学・高校時代に「ドラキュラに噛まれてみたい」と語る女子生徒が多くいたことを思い出します。確かにドラキュラ、背が高くてかっこいい。

ドラキュラが最高の当たり役となったクリストファー・リーですが、ドラキュラのイメージが付くことを嫌い、1作目から2作目の間には8年もの間隔を置き、全部で7本のドラキュラ映画に出演しています。リーは語学能力に長け、英語以外に7か国語(フランス語、イタリア語、スペイン語、ドイツ語、スウェーデン語、ロシア語及びギリシャ語)を自在に話すことができたとされ、若い頃は193cm(196cmとも)という高長身で、スタントマンや脇役中心の俳優でした。しかし、ドラキュラ伯爵の知的な眼差し、マントを翻し、軽々と女性をお姫様抱っこして歩く姿は、今見てもかっこいい。

こちらはドラキュラと対決するヴァン・ヘルシング医師。演じるのはピーター・カッシングで、リーとカッシングは22本の映画で共演、リーのドラキュラ、カッシングのヴァン・ヘルシングを超える組合せはないとするホラーファンも多い。また二人は親友でもあり、その友情は変わることがなかったと言われます。リーは90歳を過ぎても俳優として活躍しました。

さて、この2人の俳優、若い人もご存知のはずです!

そう、ドラキュラのクリストファー・リーはスター・ウォーズで79歳を過ぎていたものの、ドゥークー伯爵を演じました。またロード・オブ・ザ・リングにもサルマン役で出演しています。対するカッシングは、「スター・ウォーズ エピソード4」にターキン総督役で出演しています。

子供の頃、医者や神父さんたちが夕暮れに、ドラキュラの眠っている古城にドラキュラと対決する為に赴くのを見て、「どうして朝一番に行かないのか!そうすれば夜までたっぷり時間があるのに!」と思いましたが、そうしないと映画が盛り上がりません。(笑)

棺の中で眠る吸血鬼の胸に杭を打ち込むシーン、眠る吸血鬼が目を見開く瞬間の迫力は今も満点。ドラキュラを倒す最後のシーンも毎回違う趣向が凝らされていて、ストーリーがしっかりしているホラー映画は今でも見応えがありました。本棚にズラリと並べる気にはなりませんが、夏の夜の鑑賞には持って来いです。

日本語吹替えを収録した貴重盤も今ならまだありますし、この機会を逃すとそうそうドラキュラを鑑賞する機会は無いと思いますのでご推薦します!



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