家の中の大掃除を、外出自粛中の時期に行ったのは僕だけではないはず。(笑)いろいろな書籍を僕は処分しました。
この本は、高校生の時に「通販」で買いました。映画雑誌ロードショーやスクリーンに綴込みハガキが付いていて、それで申込むと振込用紙と共に送って来る。分割払いを前提にしていた本です。一括払いで22,000円。
執筆陣が素晴らしく、写真も豊富。内容が実に映画マニア向けという本でした。この手の本は結構騙されてしまった物もありますが、これは素晴らしい本でした。今読むと内容に物足りなさが多少ありますが、インターネットも映画解説本も少なかった当時、この本の持つ膨大なデータは本当に勉強になりました。
時々古本屋でも映画関係のものを扱っている所では、全巻セットで発見出来ますが、中割れしてしまっています。製本上糊が古くなり、仕方がないことですが・・・。
これが雑誌内の広告ですが、この広告を見て、読みたくて読みたくて胸を躍らせたものです。
こういう広告に胸躍らせ、バイトで稼いで買う。更に、大阪府立体育会館で開催される新日本プロレスの興行、洋楽のコンサート、映画鑑賞、試写会、レコード、カセットテープ代や定期購読している本代も捻出しないといけませんので、親からの小遣い毎月3,000円では全く足りず、アルバイトに精を出していました。
でも、投資しただけの知識や楽しみを満喫できたのが70年代。今考えても、ネットで得る知識よりも遥かに深みのある知識を本からは得ることが出来たと思います。映画についてなら、書籍での映画評論家と言われる人たちの書いた記事は、映画への愛情・リスペクト溢れる内容でした。また、その映画の時代背景や文化等の周辺知識にも言及しており、勉強になったものです。
今はネットで大勢の感想を読むことは出来ますが、どんな教養をお持ちの、何歳位の人が書いたかも分からず、また映画への愛情よりもご自身の費用対効果を考えて書かれたものが多く、僕には全く参考になりません。きちんとした業界の良識評論家とでも言うべき人が、今は少なくなりました。
映画や音楽を通して、海外に行きたいという夢溢れた時代が、僕の青春時代だったことについて、とてもラッキーだったと僕は感じています。