しげる牧師のブログ

聖書のことばから、エッセイを書いています。
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朝の露 <モーセの預言>

2024-09-03 | 申命記
「あなたがたの部族の長老たちと、つかさたちをみな、私のもとに集めなさい。私はこれらのことばを彼らに聞こえるように語ろう。私は天と地を彼らに対する証人に立てる。」(申命記31:28新改訳)

120歳を迎え、神のもとに帰ろうとしていたモーセは、イスラエルの将来について最後の預言をする。それは決して喜ばしいものではなく、彼らの心にある不信仰と頑固さの描写、そしてそれゆえの民族離散であった。つまり、モーセは一つの民を越え、人間存在の本質性について語ったのである。▼人はどんなに良い場所を備えられ、神のあふれる好意にあずかっても、それを踏みにじり、厭(いと)い捨てる邪悪性(じゃあくせい)を心に持っている。それがエデンの園でアダムたちに入った性質なのだ。イスラエルは自己の歴史を通してその証人となるべく選ばれた民にほかならない。▼しかしだからこそ、究極(きゅうきょく)の救い主イエス・キリストが現れなければならない。モーセは最後の歌を、天地を証人に立てて歌う。救い主は必ずおいでになる。そのあがないにより世界はやがて復活のときを迎えると。