【映画がはねたら、都バスに乗って】

映画が終わったら都バスにゆられ、2人で交わすたわいのないお喋り。それがささやかな贅沢ってもんです。(文責:ジョー)

「ミッドナイト・イン・パリ」

2012-06-16 | ★橋63系統(小滝橋車庫前~新橋駅)


ウディ・アレンなら何でも許される。
今回は、恋人とパリを訪れた男が自分だけ1920年代にタイムスリップしてしまう話。
もちろん、ウディ・アレンだから派手な特撮とかはいっさいなし。馬車に乗っただけで、ひょいっと時間を越えてしまう。
そこで出会うのが、ヘミングウェイやフィッツジェラルド、コール・ポーターといった歴史的な作家や作曲家たち。
そしてピカソやダリ、マティスといった著名な画家たち。
ウディ・アレンが、この錚々たる有名人たちに映画の中で好き勝手なことを嬉々として喋らせている。
台本を書きながらニヤついているウディ・アレンが目に浮かぶようだ。
やんちゃなウディ、健在ね。
みんな、それぞれにそれらしいのがまた、ウディ・アレンならでは。
でも、さすがにお年を召されたか、昔の映画のように本人は出てこない。かつてのウディ・アレンのような立ち位置にいるのは、若いオーウェン・ウィルソン。
それが正解かもな。嫌味がないから、結構ペダンチックな話なのに鼻につくようなところがなく楽しめる。
そして、いちばん輝いていたのは、ピカソの愛人になるマリオン・コティヤール。
“昔はよかった”とばかり、さらに過去へと主人公を誘う。
“昔はよかった”はいつの時代でも思うこと。それより、いまのパリを楽しまなくちゃ。
雨のそぼ降るパリもいいもんだ。
で、私たちはいつ行くの?
行かない。
っていうか、行けないんじゃないの?
どうして?
先立つものがなくて。
うーん・・・正解。


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