思うがままに

Step by Step

弘浪山へ

2009-04-07 | 山登り・ハイキング

弘浪山は私の山登りの原点となる山

あの日、私は弘浪山にある高山寺跡の大イチョウを訪ねた

・・・・・・
巨木を訪ね歩くのが楽しみだった私は、その大イチョウを見たくてネット情報を探し回った
”うろさん”という人のHPにあったルートマップを持って弘浪山に登った
登山靴なんて持ってない
スニーカーとショルダーバックという軽装備だった

陽の届かない静まりきった薄暗い谷
目の前の倒木
足元には動物の足跡がいっぱい
ルートを外してしまい迷い込んだ沢
怖かった・・・

『あきらめて 帰ろう・・・』と、何度も弱音を吐き立ち止まった
登って来た方を振り向くと薄暗い谷が更に私を臆病にさせた
『ここまで来て情けない奴やな!大イチョウが見たいんと違うのか!』と、もうひとりの私が叫んだ

やがて、なだらかな台地が目の前に広がった
そこが高山寺跡だということは直ぐに分かった
足を中に進めると右手に大イチョウが現れた
私は大イチョウを見上げた
世の中から忘れ去られた"廃寺跡の主"とでも言える巨木
私に覆いかぶさるように伸びた枝が今にも動き出しそうだった
やっと念願が叶って見ることができた大イチョウだが、ひとりでその前に居ると早く立ち去りたいという恐怖感を抱いたのも事実だった

そんな時、寺跡入口の向こう斜面からか微かな足音が聞こえた
心臓の鼓動が急に早まった
『誰?』
鹿だ
山の中で野生の鹿を初めて見た
鹿はしばらく私をじっと見つめて立ち去った

大イチョウを見た後、黒田へ下山した
途中、氷上盆地と遠くの山々が見渡せる場所があった
岩場に腰を下ろし目の前に広がる景色を楽しんだ
『ああー 綺麗だぁ! 美しい!』
麓から自分の足で山に登り、自然の中を歩き、季節を身体に感じ、そして下界や遠くの景色を眺める
車で登って見る景色とは違う 上手く表現できないが心に伝わる印象が全く違う
その瞬間、私は山登りの素晴らしさ面白さというものに気付いた

高山寺跡の大イチョウが私に山登りを薦めてくれた功労者なのかも知れない
そして、”うろさん”や弘浪山に関するネット情報を提供して下さった多くの方々の誠意に対し心より感謝したい



さて、あの日は大イチョウを見るのが目的であって弘浪山の山頂まで登っていない
今日は、大イチョウを見た後、山頂まで足を伸ばした


三叉路のコーナー部が広い所に車を停めた
黒田登山口の場所は分かっている
ISEKIさんの少し南側の電柱辺りが登山口だ


10:24 黒田登山口


中はヒノキ樹林が続く


登山道はしっかりとしたもので、展望所までつづら折れの緩やかに登って行くルートになっている


11:03 展望所付近  下山時に困らないように「←下山」と書いたテープを巻いた



あいにくヒノキ花粉が舞っているのか?単にもやっているのか? 見晴らしが良くない
でも、氷上盆地の田園風景が綺麗だ




手前が"盗人崩し"の崖、向こうが弘浪山の山頂


コーナー部に停めた私の車


11:22 盗人崩し


"盗人崩し"からの眺望



"盗人崩し"から北西方向への分岐道  この道はどこに通じているのだろうか?


こちらは高山寺跡に向かう登山道
伐採されたヒノキが転がっていた
葉っぱは未だ青いので最近のことのようだ


11:30 高山寺跡の入口   黒田登山口から1時間ちょっと


廃寺跡内へ踏み込む  右側に大イチョウが現れる




奥には墓石が並んでいるが近づきたくない


大イチョウの写真を撮った

廃寺跡の南隅に"弘浪山最短コース"という案内板が立っていた
これは以前気付かなかったものだった

11:45 最短コースで弘浪山へ向かった


伐採されたヒノキが多過ぎる
これは登山ルートを整備する上でのものだろうか?

ヒノキの丸太が散乱していて歩き難い



かなりの急坂だ


10:53 "頂上近し"の文字  ありがたい 


11:56


11:57 あの上が頂上のようだ


12:00 弘浪山頂上  高山寺跡での案内には25分と書かれてあったが、15分ほどで登れた





山頂からは南面180°が望めた






ここで昼食
腰をおろし、いつものうどんとおにぎりを食べながら目の前の景色を眺めた
高見城山と隣の白山は分かったが、他の山々の名前は分からない
分からなくてもどってことない  美味しいお昼が食べられたら充分だ

真珠色した馬酔木が咲いていた  暖かい! 暑いくらいだ!


12:45 弘浪山山頂から北への尾根道辿って下山
     下山と言っても、北へ向かうと少し高度があがっているように思えた
     西隣のピークへ踏み跡があったので寄ってみることにした
     その前に"←弘浪山"と書いたテープを巻いておいた


こんな注意書きがあったが、少しだけ立ち入った


踏み跡を辿って行くと真下は崖だった
これをそのまま下って向こうのピークも越えて尾根を走破した人もいるようだが、私には真似ができない




先ほどの分岐点に戻り、尾根を北方向に辿り高山寺跡へ向かった
尾根は、ずっと境界用の鎖が張られていた

とても歩き易い尾根道だ



13:09 高山寺跡への案内板から尾根を外れて谷を下った


途中からどこが正規のルートなのか分からなくなった
伐採されたヒノキの丸太のせいだが、とにかく下ればいいわけだ

13:16 下って来た谷を振り返る


13:18 柿柴からの登山道と合流


13:19 高山寺跡への道


13:20 高山寺跡の入口付近


13:37 展望所に戻った
     朝と違って眺望が良くなっていた










14:13 黒田登山口に戻った  弘浪山頂上からほぼ1時間


登山口の目の前には、田園と山々の美しい景色が広がっていた


車に乗り込む前に、弘浪山の山裾のお堂と大歳神社を散策した










車に戻ると、白く粉を吹いたように花粉が積っていた
ヒノキ花粉の凄さを思い知った


弘浪山を遠くから見てみようと車を適当に走らせた




氷上町新郷から谷村集落に入った辺りに
妙躰権現という神社があった
そこで 石を抱く巨木湧水 を見つけた

山々と巨木と湧水
偶然にも私の大好きなものが3つ揃った


妙躰権現の湧水

2009-04-07 | ぶらっと-湧き水
ふと立ち寄った妙躰権現
そこには、石を抱く巨木と綺麗な湧水があった
白山か弘浪山を源とする湧水だろうか?

九州の白川水源や池山水源とは全く比べ物にはならないが、ふと立ち寄った所で涌水に巡り合えるとは思いもしなかった
綺麗な水を見ているだけで心が和らいだ


円環状の水路から水が湧き出しているようだ


背後は弘浪山




湧水は矩形の池に流れ込み、そこには鯉が泳いでいた


湧水の水量はこの程度だった




湧水の末端を辿って行くと田畑の水路へと流れ込んでいた


西日を受けて水面がキラキラと輝いた
九州の池山水源をふと思い出した




石を抱く巨木(丹波市氷上町谷村)

2009-04-07 | 樹木-兵庫/丹波

弘浪山を下山した後、遠くから山を眺めてみようと車を勝って気ままに走らせた
田舎道にめっぽう弱いサイバーナビも何とか道を表示してくれた
自分自身、今走ってる場所がどこだかさっぱり分からない
ただ、弘浪山が見えるところ・・・としか言いようがない

ふと、目の前にこんもりとした森が見えた
神社のようだ
お堂の隣に巨木が見えたので車を境内に乗り入れた

近くに池を眺めてる女の人がいた
「このお堂は何という名前なんですか?」と訊いた
すると、その人は「妙躰さんです」と言った
(灯篭にも"妙躰権現"と文字が刻まれていた)
私はお堂の隣の巨木よりも女の人が眺めてる綺麗な池の水の方が気になった
池の上流を辿ると社の丸い水路があったが、その先はなかった
「これ湧水なんですか?」と訊くと「ええ そうですよ」と答えてくれた
こんな所に湧水があるのかぁ・・・

木や湧水の辺りの写真を撮っていると、いつの間にかあの女の人の姿がなかった

家に戻ってyahooの地図を立ち上げて場所を探してみた
航空写真のモードにしてやっと分かった
ここだ


丹波市氷上町谷村の妙躰権現のケヤキ(?)の巨木
いつかの台風で主幹が折れてしまったそうだ






根元に石を抱いていた
"白川の石抱きカヤ"とそっくりだが、こちらの方がもっとしっかり石を抱いている
何か歴史的な逸話がありそうだが、このまま放っておいたことが不思議でならない












高山寺跡の大イチョウ

2009-04-07 | 樹木-兵庫/丹波
私を山登りへと導いてくれた高山寺跡の大イチョウ
yahooの航空写真に黄葉したイチョウが写っていた)

前回この大イチョウを訪ねたのは'07年10月4日のことだった
今回はイチョウの葉っぱが無い分、春の陽が差し込み周りが明るかった
そして、山登りにすっかり慣れてしまい、ひとりこの場所で大イチョウと向き合っても恐怖感は沸かなかった

私も少しは成長したのかな?


今度、再会できるのはいつのことだろうか・・・・