仁淀川日記
土佐を流れる清流・仁淀川や、高知の自然、身の回りのできごと、日常の風景を写真で紹介




私がまだ、小学校に上がる前のころ、我が家では蚕を飼っていました。
5mmほどの小さな幼虫から、繭を作ってサナギになるまで、家の中は蚕棚で一杯でした。


山の畑には桑を植え、蚕の餌にするため毎日、枝を切り取っては持って帰っていました。
幼虫のころは柔らかい葉だけ与えますが、だんだんに成長してくると枝ごと与えます。
蚕も数が多いと食欲もすごく、家の中は桑の葉を囓るざわざわという音に包まれていました。


蚕が成長し、繭を作る準備ができると身体が透き通ってきます。そうすると一匹ずつ、紙でできた四角い枠の中に入れます。
上下面にも蓋をしておくと蚕は、その中で糸を吐き、繭を作ります。
しっかりとした繭ができ、中で蚕がサナギになったころに一つずつ取り出し、繭を紙に固定するためのまわりの余分な糸を機械を使って取り除くと、真っ白い繭が現れます。


ここから更に、糸にほぐす作業をするところもあったようですが、我が家では繭の状態で出荷していました。
昼でも夜でも、ざわざわという音は記憶から消えることはありません。
この桑の実、その当時の株が残っていたのか定かではありませんが、子どものころの思い出に誘ってくれました。

[Photo : Nikon D700 / TAMRON SP 180mm Macro]

にほんブログ村 写真ブログ ネイチャーフォトへ にほんブログ村 写真ブログ マクロ撮影へ
** にほんブログ村 **

人気ブログランキングへ

GUNZE online store(グンゼオンラインストア)


コメント ( 2 ) | Trackback ( )



« エンドウ豆 お天気次第 »
 
コメント
 
 
 
絹の町 (おみや)
2012-05-19 09:06:56
お早うございます
八王子市は「絹の道」が残っているし桑都とも言われて当時はとても盛んだった様です。
駅前どうりの街路樹も桑の木なんですよ。
八王子の産業は絹のネクタイが今も代表です。

だんだん養蚕をする家も無くなっているらしいです。
桑の実、食べたことあります。ジャムにしたことも
ありますが、ずいぶん前のことです。
 
 
 
 (aigen)
2012-05-19 21:48:11
>おみやさん
絹は高級品。その手触り、肌触りは化繊とはやはり違います。
しかし、今では国内生産は稀少となり、ほとんどが外国(中国など)からの輸入品のようですね。
結局は価格に行き着くのでしょうが、昔からの伝統、技術が、大量生産、大量消費に取って代わられるのは仕方が無いことなのでしょう。
 
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。