私的美遊空間

美しく愛しいものたちへのつぶやき

仙叟ゆかりの玄庵と仙叟屋敷のお茶会

2016年11月24日 | 茶の湯便り

~ 玄庵 ~

こちらのお茶室は、石川県小松市の芦城(ろじょう)公園内にあります。
「小間の玄庵」と「広間を備える仙叟屋敷」からなり、
北陸での茶道発展の礎を築いた千家四代目・仙叟宗室居士没後三百年を記念し、
1996年、鵬雲斎千玄室・裏千家十五代家元によって寄贈されたものです。

この度、小松市在住のお茶友さんのご招待を受け、しっとりと美しい玄庵で
濃茶を、明るく華やかな広間では薄茶を頂き、北陸での晩秋の一日を
存分に楽しませて頂きました。





~ 仙叟屋敷並びに玄庵の正門 ~





~ 外露地より見る仙叟屋敷 ~

仙叟は元和八年(1652年)、加賀藩三代藩主・前田利常公の御茶堂として仕え、
利常公の小松城への入城に従って、城中の三の丸に屋敷を賜り、利常公が
亡くなる万治元年(1658年)まで、小松に在って利常公の文治政策を助け、
家臣はもとより町人に至るまで、広く茶の湯を指導されました。





~ 仙叟屋敷から見る外露地 ~

茶庭は、仙叟が加賀藩の士分であったため武家風の庭とし、芦城公園の
歴史的な環境に溶け込むように設計されています。

露地については、外露地は明るく、内露地は暗くして、茶事の趣が
損なわれないように配慮されています。

このS字を描く砂利道は奥にある玄庵の露地へと続いています。





~ 外露地から内露地を見る ~

紅葉の美しいしっとりとした風情の内露地へと続きます。





~ 玄庵の室内 ~

仙叟好みの趣を、鵬雲斎千玄室・裏千家十五代家元が現代風に設計されたもので、
この小間の玄庵は五畳半の上台目切りで、床は半畳の壺床と奥行きの浅い台目床が
設けられ、ほかに裏千家宗家の無色軒にある釘箱棚が写されています。

こちらでお茶友さん(席主の奥様)のお点前で濃茶を頂きました。
私の入らせて頂いた二席目は、お茶友さんのお知り合いの方ばかりでしたので、
ほど良く緊張しつつ、心が通い合う素敵なお席になりました。





~ 仙叟屋敷の広間 ~

広間は十二畳半あり、床の右に琵琶床、左に床脇が設えてあります。
こちらで席主のご子息のお点前で薄茶を頂きました。

二席目のお客様方は、お点前をされるご子息の小さい頃を知っている方ばかりで、
皆が母親のような気分で、ちょっとはらはらとしながら見守っていました。
この初々しい青年もあと二、三年もしたらうんと成長することでしょう。
和気あいあいと楽しいお席になりました。




~ 仙叟宗室居士屋敷跡碑と露地門 ~

※ 以上「仙叟屋敷ならびに玄庵」パンフレット参考




~* ~ * 芦城公園内 * ~ * ~



この芦城公園は、加賀藩三代藩主・前田利常公が隠居としていた小松城の
三の丸跡地に造られた池泉回遊式庭園になっています。

松の名木をはじめ、桜やツツジ、フジ、ショウブ、百日紅など季節の花々や
冬季には「雪吊り」など四季折々の風情を楽しむことが出来ます。




~ 池には大きな鯉が泳いでいます ~

二つの池と滝、それらを結ぶせせらぎや築山も配されています。





~ 芦翠亭 ~

園内にあるお休み処




~ 錦橋と雪吊り ~

やはり小松も雪国なんですね。
兼六園と同様に、松の枝ぶりを保護するための雪吊りが、
北陸の風情を感じさせます。

※ 以上、小松市HP参考



~ * ~ * おまけ * ~ * ~



~ コマツ製作所と大型建設作業車 ~

小松と言えば、やはり思い浮かぶのは「コマツ製作所」
ビルの脇に置かれた大型建設作業車はさすがの迫力で、
二階建ての家が一軒分くらいありそうな大きさです。

大阪行きのサンダーバードを待っている間に、目に飛び込んで来た光景です。





~ 奥琵琶湖 ~

琵琶湖は滋賀県の真ん中にあって、淡路島がすっぽり入ってしまう
日本で最大の湖です。
いつもここを通る時に、あの大きな湖もここが終点、あるいは始まり、と
思って見ると不思議な気持ちになります。
中央向こうに見える山は、かの有名な「賤ケ岳」でしょうか・・
歴史を感じる景色ですが、正確には分かりませんので、ご存じの方が
いらっしゃいましたら教えて頂きたいと思います。


コメント (8)
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