私的美遊空間

美しく愛しいものたちへのつぶやき

てくてく奈良街歩き♪ ②の2 志賀直哉旧居 * 暗夜行路完成の書斎 *

2016年11月01日 | 旅の楽しみ

~ 2階 六畳書斎 ~

この日、南向きのこの部屋にはやわらかな秋の陽が差し込んでいました。
後年には寒い北向きの洋間書斎から、こちらの書斎に移動して執筆しており、
志賀直哉唯一の長編小説・暗夜行路はこの部屋で完成しました。




~ 2階 八畳客間 ~

東側と北側に窓があり、明るく落ち着いた部屋です。
時にはお客人の宿として、またある時には友人たちとの
語らいの場だったのでしょうね。




~ 中庭 ~

しっとりと美しい庭で、茶室のための腰掛待合も備えています。




~ 六畳 茶室 ~

この茶室は、建築当初の用途は、友人たちが訪ねて来た時に
気兼ねなく寝転んだり、将棋をさしたりくつろぐための部屋になる予定でした。

ところが、建築に携わった大工が裏千家関係の数寄屋大工であり、
建物の何カ所かに茶室を造りたいとの希望を持っていたために
直哉が自分の希望を述べると、大工は喜んで
たちまち本式の茶室を造ってしまったのだそうです。

結局、当初に直哉の希望した用途にはならなかった部屋ですが、
夫人と三人の娘さんたちが、興福寺のお坊さんを師匠に
この茶室でお茶の稽古をするようになったとのことでした。

その大工さんはよほど茶室が造りたかったんですね。
直哉の言葉を都合よく解釈して、自分の思いを遂げてしまうところなど
傑作ですし、それを許した直哉の懐の深さも感じられる愉快な逸話です。




~六畳 夫人の居室 ~

南向きで広縁のある明るい部屋です。
家族思いの直哉の優しさが感じられますね。




~ 中庭 ~

茶室につながる庭です。
この中庭だけでも六畳間が五部屋分はありそうな大きさです。




~ 直哉の居室から見る中庭 ~

向かいは茶室、その上は2階客室です。




~ 子供の寝室から見た庭 ~

窓枠で切り取った庭の景色が、まるで額縁に入れた絵のようです。
ゆるやかアプローチが優しい風情ですね。
このアプローチの先は池のある庭に続いています。

お昼時だからでしょうか、見学者が少なく
どの部屋も貸し切り状態でゆっくりと見ることができました。
ここで志賀直哉旧居はおしまいにして外に出ます。




~ 志賀直哉旧居前の道 ~

さていよいよ第三の目的、正倉院展会場の国立博物館に向かいます。
この旧居前の道を抜けると10分ほどで奈良公園に着きます。




~ 道路を歩く鹿 ~

奈良公園の近くに来ると、鹿が普通に道路を歩いています。
さすがに車が来ると避けますが、人がいても平気で近くを歩いて行きます。




~ 池で涼む親鹿と仔鹿 ~

この日は鹿にとっては暑かったのでしょうか、
公園内の池に鹿が入って涼んでいるようでした。

仔鹿が私たちに興味津々なのを心配してか、
「そっちへ行っちゃあダメよ!早くこちらにおいで!」
とでも言っているように呼んでいました。




~ 売店前を動かない鹿 ~

博物館の横には甘味処や土産物店などの店が連なっています。
その前から動かずに、観光客らに撫でてもらったり、
一緒に写真に納まったりしているおとなしい鹿がいました。

まるで剥製のように見えますね。
こうして人の近くにいると、鹿煎餅がたくさん貰えるのでしょうね。
モデル料を払っても良いくらいじっとしてくれています。
主人はこの鹿ちゃんと記念撮影をしました。




~ 奈良国立博物館 ~

ようやくやって来ました。
もう午後2時近くでしたので、長い行列もなく団体さんもいなくて、
スムーズに館内に入ることが出来ました。

午前中はおそらく長蛇の列なのでしょうね。
時間に余裕のある方は、午後からの観覧をお勧めします。

次回は正倉院展観覧の様子をお届けします。

※ 参考 パンフレット、室内の説明書き
コメント (12)
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