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私的美遊空間

美しく愛しいものたちへのつぶやき

骨董市の付録が美品だった件・桜の巻

2016年03月25日 | 時空を超えて来たものたち

この消息文は、造幣局のお花見に誘われたその返事の文である。
以前に骨董市で買ったお茶碗のクッションとして入っていたものだ。
くしゃくしゃに丸められた和紙を広げて見ると、
出てきたのがこの美しい候文の手習いの紙だった。

~ * * * ~

右返辞

造幣局内の桜 今を盛りの趣きにて 御誘ひ下され
かたじけなく存じあげまいらせ候

何事を打捨てても ? ずさの数には漏れ申すまじく
明日にてつとめて御うかがひ申上ぐべく候間
御待ち下されたく候 かしこ

四月 うづき

~ * * * ~

右返事

造幣局の桜が、今頃見事な様子とのこと、
この度はお誘い下さいまして、とても嬉しく有難く存じます。

何事がありましても打ち捨てまして、
皆様の数に漏れませんよう、明日の朝早くにお伺い致しますので
どうかお待ち下さいますようお願い致します。 かしこ

四月 卯月

~ * ~ * ~ * ~

美しい文章に、伸びやかで気持ちの良い筆運び、
とても手習いの紙とは思えない美しさである。
どんな女性によるものなのか、想像するのもまた楽しい。

箱の四隅に詰め込まれていた紙だが、ひょっとすると
本体のお茶碗よりも良かったりするかも知れない。

こんなところが骨董市の楽しいところ。
またこんな幸運に巡り合えるよう楽しみにしておこう。


藤の巻



コメント (2)
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