学校プールの建設は、35年の江別小学校を皮切りに、30年代には第一中学校(38年)、第二小学校(39年)と順調に続きました。
しかし、40年代に入ると足踏み状態となり、市内4番目の学校プールが第三小学校に建設されるのは、44年7月まで待たなければなりませんでした。
開設は、多少遅れましたが、そのかわり同校のプールは、市内では最初の循環ろ過装置を備えていた他、シャワー、洗眼器、更衣室、トイレ完備という、当時としては水準を抜いた施設完備のものとなりました。
同校のプール開設により、江別、野幌地区の小・中学校は、一応カバーすることができました。
市内22小・中学校の数と配置のバランスから不満の声があがるのも無理はありませんでした。
とりわけ深刻であったのは、児童生徒急増の大麻(おおあさ)地区で、水泳教室は2kmも離れた第二小学校のプールまで遠征しなければなりませんでした。
市教委では、45年度には大麻(おおあさ)地区の小・中学校が2,500人前後となる見込みでもあり、全体のプール建設を年次計画で促進することになりました。
プール建設は、ひとり児童生徒ばかりでなく、PTAや地域住民にとっても大きな関心事でした。
44年12月の議会に、大麻(おおあさ)地区における学校プールの建設の請願が、また45年6月の議会には豊幌小学校プール新設についての請願が出され、それぞれ採択されました。
ちなみに、大麻(おおあさ)地区の請願の理由を、本会議における紹介議員の説明からひくと次のとおりです。
『大麻(おおあさ)小学校は、隣の第二小学校プールを借りているが、中央バスを貸し切り、ピストン輸送をしている状態である。しかも、生徒一人1回しか泳げないというのが実情である。大麻(おおあさ)中の場合、第一中学校のプールを利用することになっているが、距離的、交通の面でなかなか容易でありませんでした。
大麻(おおあさ)地区は、将来、小・中学校合わせて4校、4千人の児童生徒になるので、早急に45年度に設置願いたい。』と、その切実さは十分納得できるものでした。
市教委では、議会の採択を受け、かつ、その緊要性から45年度以降、鋼鉄製プール、ビニールプールを含め、プール建設に拍車をかけました。
註:江別市総務部「新江別市史」526-527頁.
写真:昭和44年7月市内4番目に完成した第三小学校プール
同上書526頁掲載写真を複写し、当ブログ掲載いたしております。
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