コタツ評論

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渡る世間はホモばかり

2006-03-07 14:07:00 | ノンジャンル
アカデミー賞の主演男優賞には『カポーティ』のフィリップ・シーモア・ホフマン。ホモか変態の汗かきデブを演らせたらいちばんの人である。やはりホモか変態のギョロ目ハゲの役どころではいちばんのウィル・パットンにも、いつか助演男優賞を受賞させてほしいものだ。『追いつめられて』で、その大きなすだれ頭を振りつつ上司であるJ・ハックマンに潤んだギョロ目を据えてホモ愛を告白した場面は凄かった。醜く浅ましい変態としてホモが描かれることが多いハリウッドで、主役の美男俳優が美しくホモを演じる(らしい、未見なので)、『ブロークバック・マウンテン』が監督賞をとった。ま、カウボーイのホモセックスを直截に描いたのはたぶん初めてだろうが、西部劇はたいてい男が男に惚れるところから物語がはじまるもの。男は男にしか惚れない、女には惚れたふりをするだけ、という本当のところが男には受けてきたわけで、だから西部劇やカウボーイ映画、日本でいえばヤクザ映画に女性ファンは稀なわけだ。その一方、『キューティ・ブロンド』の「デルタ・ヌウ」の代表として、高校フットボールの花形選手やアイビーリーグのエリートといった、ストレート男たちの俗物性を痛快に笑いのめしてきたリース・ウィザースプーンが主演女優賞を取ったのは、好一対だったのかもしれない。
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