コタツ評論

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いや、僕も怒っているですけどね(追従笑)

2010-09-28 06:16:00 | ノンジャンル


「日中間に、領土問題はないっ」と前原外務大臣はいったけど、ロシアとの間に北方領土、韓国との間に竹島、アメリカとの間に沖縄と、日本は領土問題だらけといえばだらけ。だらけている場合ではないと、マスコミと国民あげて、「暴支膺懲」とばかりに怒っている。怒らないのは、日本人ではないとばかりに。尖閣諸島なんて誰も知らないだろうに。

尖閣諸島は沖縄県下だから、沖縄県民はさぞや怒っているだろうに、沖縄県知事や県議会から怒りの声が聞こえてこないのは、なぜだろうか。どうしてマスコミは、沖縄へ取材に飛び、領有権を主張する中国や台湾に対する、県民の怒りと恐怖の声を伝えないのだろうか。尖閣諸島に中国の領有権が認められたら、当然、沖縄も中国の領土になるのだから。

中国は日本に怒っているのだろうか。どうも違うように思える。日本に怒っているように見せて、実はアメリカに怒っているのではないか。国家と人間を同列視できないが、国家は人間のように振るまってみせる。人間は裏切られたときに、もっとも怒るものだ。近年の米中接近を裏切る行動だと中国はアメリカに怒って見せたのではないか。

昔、日本に領土問題はなかった。中国の東北部は日本のものだったし、南北朝鮮台湾は日本そのものだった。北方4島どころか樺太(サハリン)まで日本の領土だった。だが、中国・台湾・韓国・ロシアにとっては、どうだろうか。かつて日本との間に領土問題があった、少なくとも、そのように記憶されて今日に至っているはずだ。

今日、日本が抱える領土問題とは、ただいま現在の領有権をめぐる問題であると同時に、かの国々の過去の記憶と相対する問題であるだろう。ならば、それは必然的に日米安保の枠組みとは別に、日本がそれぞれの国の2国間で解決をはからなければならない問題である。日本がアメリカの後ろ盾を前提とするなら、2国間協議はけっして成り立たない。

さらに、かの国々との困難な領土問題とは別に、日本はアメリカと沖縄をめぐる「領有」問題について、早急に2国間協議をはじめなければならない。日本がアメリカの属国や植民地である限り、かの国々から主権国家とはみなされず、領土問題を協議する当事者能力に不足している、と判断されるのは当然なことだからだ。

もちろん、属国や植民地といわれようと、現在の日米安保体制を堅持するのが日本にとって、よりましな選択であるという考えもあるだろう。が、当の沖縄県民が、明確にこれに異議を申し立てている問題は捨象できない。したがって、性急に過ぎたが、前鳩山政権がまず普天間基地問題に着手したのは、論理的には間違っていなかったと思う。

残念ながら、いま、日本には友邦と呼べる国は、世界に一つもない。「国際社会に名誉ある地位」を占めたいとしたが、少なくとも東アジアに「名誉ある地位」をまだ築いていない。その苦い現実から出発するしかない。日本人が日本人に向けて、内向きに怒ってみせることに、ほとんど何の意味もない。ナイナイナイ、でも止まらナイ~♪ (こればっか、チューバッカ)。

参考文献「中国人だけどしつもんある?」
http://workingnews.blog117.fc2.com/blog-entry-3245.html

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