というのが決めゼリフでした。天海祐希は、「10年に1人の逸材」といわれた宝塚のトップスターだったから、ダンスはうまい。アメリカでもヒットしたとかいう「シャルウイダンス」にも、おぞましくも子どもが両親の手をとってつながせるという夫婦の和解の場面があったが、この最終回でも、主人公の少女の父親が家族の前で妻に、「愛している」などと口走る赤面するシーンがあった。終始鉄仮面のような無表情を通させた阿久津摩矢に、ラストでニコリとさせた。新人監督らしいから、いろいろな圧力に抗し得なかったのかもしれないが、台無しになった。山本周五郎は、「さぶ」において、更正したさぶが親身に面倒をみた牢役人に礼を述べるため会いに行くが、次のはぐれ者に心を砕いている牢役人は、すでにさぶに関心を失い素っ気なくさせている。そうした最低限のリアリズムは守ってほしかった。小津や溝口、成田の抑制をとまではいわないが。しかし、近年、出色のTVドラマであった。とにかく、女優がきれいななあ、というのはいい。
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