安部・石原・橋下たちの極右政権が誕生かといわれている。「日本は~すればいいんですよ!」という改革断行の弁舌や言説がとびかい、「~」には非核3原則の破棄や憲法改正(悪?)、核兵器保有などもとりざたされている。しかし、核兵器保有や憲法改正(悪?)に、決定的な道筋をつけてきたのは、民主党の野田佳彦首相にほかならない。
野田政権が誕生してから、およそ1年3か月。わずか、1年3か月で、野田首相は、日本の安全保障政策に大きな舵を切っている。
昨年12月
「武器輸出三原則」を大幅に緩和した。武器の国際共同開発と生産に参加できるようにし、人道目的の装備品の供与を解禁した。
今年6月
国会は原子力基本法とJAXA(宇宙航空研究開発機構)法改正案を可決した。原子力基本法に「安全保障に資する」という条項を追加、JAXA法改正案では「平和目的」の条項を削除した。
今年7月
民主党の「国家戦略会議」が「集団的自衛権」の承認を野田内閣に提言した。
今年9月
尖閣諸島の「国有化」を決めた。
どれをとっても、護憲と不戦の戦後の枠組みを揺さぶる、日本の安全保障環境(軍事・有事)を一変する、重大な政策転換や法整備といえる。自民党政権時代に、民主党が野党だったときなら、国会は紛糾しマスコミは大騒ぎ、内閣不信任や総辞職が要求されるなど、とても実現しない政策ばかりだ。
これらのほかに、消費税増税法案という歴代の内閣が挫折してきた法案を国会に通したのだから、民主党の選挙CMやポスターに、野田首相が「決断」という言葉を前面に押し出すくらいは、まだ控えめなくらい。戦後の内閣を視野を広げても、その「決断と実行」において、野田首相に比肩しうる首相が、はたしているだろうか?
安部・石原・橋下たちの右翼的な言動によって、野田首相と民主党が中道右派的にイメージされるが、その政策を判断材料にすれば、日本の最右翼は野田首相だろう。民主党マニフェストが謳った政策のほとんどは実現しなかったが、安全保障政策については、無為無策どころか、野田政権はたいへんな仕事を成し遂げた。
右翼タカ派を自認するなら、安部・石原・橋下たちより、野田佳彦こそ熱狂的に支持すべきだが、そうはなっていない。選挙後、民主党の位置がどのように変わろうと、日本の安全保障政策に野田首相の影響力は強く残るだろう。自民党と連立を組んだ場合、「安倍首相」が退いた後釜に、また野田首相が登場するかもしれない。恐るべし野田佳彦!
遅まきながら“武器輸出3原則”を緩和
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20120814/plt1208140710001-n1.htm
反戦・反基地ブログ
http://www17.plala.or.jp/kyodo/shiryo2_192.html
持てど使えぬ集団的自衛権の怪http://www2s.biglobe.ne.jp/%257Enippon/jogbd_h13/jog192.html
日本の「核保有」の迷夢
http://j.people.com.cn/94474/8052419.html
(敬称略)
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