コタツ評論

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今夜は、好対照

2022-01-03 18:12:00 | ノンジャンル
相棒20元日SPについて(視聴を終えた方々へ)
https://ameblo.jp/gralphan3/entry-12718296806.html

訴訟を起こした当事者である非正規の店舗のおばさんたちが、あのようにいきり立ったヒステリックな人々として描かれるとは思ってもいませんでした。同時に、今、苦しい立場で闘っておられる方々を傷つけたのではないかと思うと、とても申し訳なく思います。どのような場においても、社会の中で声を上げていく人々に冷笑や揶揄の目が向けられないようにと願います。

河瀬監督に聞く 五輪記録映画で描く光と影
https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000225342.html

(Q.どういったところに光と影がありましたか?)

やはり分断です。
約8割がオリンピック開催に反対している、望まれていないものをどうしてやるんだと、デモの方たちもたくさん出ていました。

自分たちの置かれている現実、新型コロナの感染者数が増えている状況のなかで、不安が不満になる。政府への不満。それもオリンピックがとても目立っているからこそ、そっちに全部不満が来るような意味でなされるなかで、それでもやろうとする人たちがいる。

そして、場を用意してくれたことに、感謝の言葉を述べたアスリートの声。選手たちが全人生をかけている姿には、皆さん本当に心を動かされたと思います。それこそが光だったと思います。

河瀬直美監督は、東京五輪記録映画監督に続き、大阪万博のプロデューサーにも就任したそうです。

「ほんとうの悪なんてないんですよ。間抜けか馬鹿か傲慢か狡いかなんですよ」
https://www.youtube.com/watch?v=rKicHw8VE_U&t=3s

先の衆院選で立憲民主党の小川淳也議員の選挙戦に密着したドキュメンタリー映画『香川一区』の評価をめぐる、町山智浩氏の発言です。

香川一区選挙区は、四国新聞と西日本放送のオーナー一族にして3世議員、初代デジタル大臣にもなった自民党の平井卓也議員の地盤であり、立ち向かう小川淳也議員は連戦連敗、ようやく比例代表で復活当選してきた経緯があります。

水道橋は、この平井元大臣と一族を映画スターウォーズのダースベイダー、小川陣営をジェダイの騎士たちに擬して面白がります。これに対して、町山が「そういう悪の帝国のような見方は子供じみている」として、冒頭の発言につながります。

「小川さんはいい人ですよ。でも、いい人を追いかけてどうするんですか。むしろ、平井卓也のような人に迫ることこそドキュメンタリなんですよ!サーシャ・コーエンやマイケル・ムーア、みんなそうなんです」

太田愛さんは、デモをする「反対する人」を冷笑や揶揄の対象とする「分断」に反対しています。河瀬直美さんは、選手やスタッフなど「反対しない人」と「反対する人」を「光と闇」になぞらえています。

「反対される人」という自覚がない上に、「光と闇」にまで分断を拡大してしまっている河瀬直美さんに、町山智浩さんの「間抜けか馬鹿か傲慢か狡いか」を当てはめるのは容易です。

「ほんとうの悪」の正体が、そんな人間性の一部なら、私たちはそうならなければよいわけです。多少は仕方がないにしても。



高い丘の上に座っている馬鹿が、夕陽が沈むまで地球が回るのを見ている、という歌詞から、誰でも一人地動説を唱えたガリレオを思い起こすはずです。

(止め)



コメント
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