コタツ評論

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今夜は、オーティス・レディング

2021-08-31 22:59:00 | ノンジャンル
Otis Redding - I´ve Got Dreams To Remember
Can't Turn You Loose - Otis Redding


1967年前後の映像である。白人のバックダンサーや観客のノリがひどい。白人層の支持を得て、黒人の歌手やミュージシャンが富と名声を得ていく時期だが、代わりに彼らにとって真の観客を失っていく不幸な時代のはじまりだった。

Otis Redding "Try A Little Tenderness" Live 1967 (Reelin' In The Years Archives



彼の代表曲でもあり、ガッタガッタとシャウトしていくオーティス節がさく裂しているが、喝采や歓声をを上げるわりには気のない動きや、リズムに乗ることができないくせに見様見真似で踊りだす白人たちに囲まれて、自らを懸命に奮い立たせている孤独な汗だく芸人のようにも見える。その汗の何割かは冷や汗の。

The Dock of the Bay - ドック・オブ・ザ・ベイ - Lyrics - 日本語訳詞


オーティス・レディングといえば、「ドックオブザベイ」だが、歌詞の世界はこんなホームレスみたいな内容だ。もっともアメリカ人らしいアメリカ人は黒人かもしれない。リズム音痴のくせに金髪を揺らせている女の子や宴会のような手拍子をくれている観客たちこそ、偽アメリカ人に見えてくる。

(止め)