コタツ評論

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めくら千人でけっこう

2010-12-15 22:12:00 | ノンジャンル


今夜、BSフジの「らくごの時間」は、立川談春の番組だった。対談相手は、一ファンという女優の坂井真紀、歌手のさだまさしもコメントを出していた。立川談春については、以下で、紹介してきた。

2008/8/20 『赤めだか』(立川 談春 扶桑社)
2010/6/1  『この落語家を聴け!』(広瀬和生 アスペクト)
2009/8/20 『雨ン中の、らくだ』(立川志らく 太田出版)

※右端の検索欄に「落語」と打ち込んで、<このブログを検索>にチェックを入れて、検索するといずれも出てきます。

『赤めだか』は、立川談志と立川流に入門した弟子たちの修業の様子と落語への情熱が、いきいきと描かれた好エッセイだった。『この落語家を聴け!』でも、立川志らくと立川談春が絶賛されていた。ところが、これまで立川談春の落語を聴いたことがなかった。今夜の演目は、「六尺棒」。道楽者の若旦那としっかり者の親父だけの、かけあい漫才のような短い噺だ。「いま、もっとも切符がとりにくい落語家」の筆頭とされ、「将来の名人候補の一人」といわれ、人気実力ともに抜群らしいので、とても楽しみだった。しかし、残念だった。俺なら、木戸銭は払えない。名人どころか、並みの前座くらいにしか思えなかった。もしかすると、立川談春とは相性が悪いのかもしれない。談春の顔つきは小賢しい嫌なものに見えたし、番組中のトークも無内容で感心しなかった。「落語はおもしろい」と繰り返し力みかえっていたが、「たしかに、落語(というジャンル)はおもしろいかもしれないが、残念ながら、あなたの落語はおもしろくもおかしくもない」。そういいたいほどだった。落語に関する本を読むのは楽しい、に留めておくべきなのかもしれない、俺の場合。

(敬称略)
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