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Fender ’54 Stratcaster をゲット (その3~形状比較)

2014年08月01日 | MUSIC

 

速報!! Fender ’54 Stratcaster ゲット!!

Fender ’54 Stratcaster をゲット (その2)

と連続して書いてきましたが、今回はその3。
 オリジナルの ’54 Stratcaster と Fender Japan ST-54 83DMC との比較、つまり、どのくらいオリジナルにせまれているかということを検証していこうと思います。同時にStratcaster のプロトタイプといわれる、'54 Stratcaster の特徴をインターネット検索を駆使しながら比較していきたいと思います。

 こまごまと比較していたら、すごい長文になってしまいましたので、時間があったら、見出し+ハイパーリンク(古い!!)を作りたいと思いますので、ご容赦を。

 ( Fender Japan ST-54 83DMC )

 今回、Stratcaster 誕生60周年にひっかけて、1954年モデルの Fender Japan ST-54 83DMC をゲットしたのは、とても54年のオリジナルは買えませんから(否、買えますけれどあえて買いません。なんと、オークションで程度が悪いものでも、25,000ドル=250万円、Near Mint(新品に近い) コンディションだと2,000万円ぐらいしています)、少しでもその雰囲気が味わえるものを手に入れて、実物大のプラモデル感覚(高っか~いプラモですが)で楽しもうというところにあります。
 そこで、下のプラモデルのように、オリジナルにどれだけ迫れているかを明らかにして、もし相違があるなら、できるだけ補完し、スケールモデルに近づけて楽しみたいと思います。


(1/8 "Fender The Best Collection" '54 stratcastaer)

 また、本場 USA fenderの60th アニバーサリーモデルも出ていますが、結局はレプリカですから、わざわざレプリカに30万円も出さなくとも、品質のいい、Fender Japan の '54 リイッシューモデルで十分プラモデル気分は味わえると考えました。
 更に、Fender Mexico も 廉価で、Custom Shop の雰囲気が味わえる、Road Worn'50s Stratocaster というのを出してはいるのですが、これは、レリック仕様(Worn=使い古した)なのと、57年以降モデルなので、選択の対象からはずしました。
 以下、比較のもとになる ’54モデルの特徴の解説は、これも先日入手した、1/8スケールの"Fender The Best Collection" stratcastaer の解説書や解説WEBを参考にしています(オボコちゃんではないけれど出典が分からなくなってしまいました)。

 では、まずヘッドストックから。以下は向かって左がオリジナルで右がST-54 83DMC(以下ST-54という)です。

 外見上の特徴として第一に挙げられるのが、そのヘッドストックの形状だといわれています。外周と角が大きく面取り加工され全体的に丸みを帯びた仕上げです。この面取りは指版エンドにまで達し、一見して54年製であると認識することができるといわれています。

 ストリング・リティナーは54年から56年まで、ラウンドタイプが採用されているいるのも大きな特徴です。

 この辺、Fender Japan さん、すごく頑張ってくれています。文句なしの再現性でしょう。東海楽器さん、寺田楽器さん、アトランシアさん等のどこが木材加工したか分かりませんが、職人さん、いい仕事してますね(By 中島誠之助)。

 Crafted in Japan の時代(1997年ごろから2008年ごろまで)は、各下請けの工房で、きっと少しずつ仕上げに差異があったはずで、この辺、比較してみると、それぞれの工房の個性が出ていて逆におもしろいのかもしれません。(残念ながら 83DMC は発売数が少ないのか、WEB上にほとんど画像がなく、厳密な比較ができないのですが)

 さて、ヘッドの裏ですが、

 オリジナルのチューナーは"No Line" Kluson Deluxe tuners といわれるもので、「Kluson Deluxe」のブランド名のスタンプが落とされて、他よりも広い帯だけが残っている形状のもの。

↓これです。

クルーソン・デラックス ギタ―ペグ バラ単品 フェンダー6連タイプ刻印無し1弦側用 ニッケル : kd-6inline-mb-ninl-1one :  GENZO VINTAGE GUITARS - 通販 - Yahoo!ショッピング
 更に、ヘッド裏からネックグリップの境目のない、のっぺりとした滑らかなラインが他のストラトと異なり独特な部分です。

 この点、ST-54 は、チューナーにMade in Japan(GOTOH製らしい) の「MHG-SD91 NI」という Klusonタイプの別物が使われており、すべて均等なラインが引かれています。油穴は忠実に再現されています。雰囲気はでていますね。

 さて、ヘッド裏からネックグリップにかけての形状は、面取りはされていますが ST-54は角ばった形状になっています。この辺、弾き心地を大きく左右する部分ですから、もうちょっと頑張ってほしかったです。ST-54/VSP この点忠実に再現されているようです。

 つぎに、’54 オリジナルの特徴とされるのが、1弦側のカッタウェイとネックと接する部分がほぼ直角に成形されていることです。

  残念ながら、ST-54 は、丸く成形されています。この部分は作業上チップしやすいので、オリジナルもその後、角を落とした形状に変更されたそうです。
 ST-54は、丸く成形されていますが、非常に薄く削られている部分で、ネックを外して戻すとき、ここが折れないかとヒヤヒヤしながらはめたような状況で、ここは安全上丸い形状が確かにいいですね。

 この点、60th Anniversary American Vintage 1954 Stratocaster は、ここも忠実に再現しているようで、さすがにたいしたものです。30万円ですからね。

 次は、ピックアップとそのカバーの形状です。

  まず、オリジナルは面取りされた丸みが強く、光沢のあるカバーで、ベークライト(フェノール樹脂の商標名。発明者ベークランドにちなんだもの。)製~ポリスチレン製との説も。割れやすく、きれいに保存されているものは少ないようです。

 シングルコイル・ピックアップにセットされたアルニコ・マグネット(アルミニウム (Al)、ニッケル (Ni)、コバルト (Co) などを原料として鋳造された磁石)のポールピースは、各弦ごとに出力バランスを取るための高さの異なるスタガード(千鳥配列)・ポールピース。特に3弦に対するポールピースが短く、ショートGと呼ばれているそうです。

 これに対し、ST-54 83DMCは、その名の通り USA Made ディマジオの Classical Vintage DCS-1 が搭載され DiMarzio Collection の銘が印刷されています。 
 ディマジオが Fender Japan 用に供給していた
特注品のようです。これに該当する現行ディマジオの製品がどれかはわかりませんが、年月を経て退磁した状態に近づけるため、アルニコ2や3(普通はアルニコ5)を採用した Virtual Vintage シリーズに近いものではないかと思われます。

DiMarzio DP408 Virtual Vintage '54 Pro 【御茶ノ水本店】

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価格:9,720円(税込、送料別)

 

 この形状の違いは、ST-54 が、Dimarzio のピックアップ搭載を売りにしている点で致し方ないことですが、ちょっとオリジナルからかけ離れすぎて、気になる大きな形状の違いと言えます。

 音や出力の特徴については、後日レポートしたいと思います。

↓こんなの売ってますけど、カバーだけでこの値段なら

 Vintage Clone Parts THE CLONE 54 SC COVER SET

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価格:7,766円(税込、送料別)

 ↓これを買ったほうがいいですね。何か、世界1,954個限定だそうです。

 次は、同じくプラスチックパーツのボリューム・トーンノブとスイッチノブ。そしてピックガード。

 

 ボリューム・トーンノブは、ショートスカート(もしくはトールボーイ)と呼ばれるもので、現行のものが、上端に向かって、テーパーがついているのに対し、ストレートな円筒形になっている。色は白というより、ちょっと透き通っています。

 スイッチノブはフットボール・ノブと呼ばれるもので、細身で先端が僅かに尖っています。

 ピックガードは、1-plyのホワイト8点止め(59年から11点止の3-ply、いわゆるミントグリーンのピックガードになります)。

 これに対して、ST-54は、ピックガードを含め一般の部品が使われています。この点、現在販売されている Fender Japan のフラッグシップモデルの ST-54 VSP も ここにはまったく気を配っておらず、同様に一般の部品を使っています。特定のモデルに特有の部品を使うのはコスト的に厳しいことがあるのでしょうか。
 白い1-plyのピックガードは Fender Japan のラインナップ ’54 ’57 ’58の1ply8点止が共通部品なので、特注品を使う必要がなく、特に問題なく再現されています。

↓こんなの売っているのですけれど、やっぱりこんなにコストかかるのでしょうか?

 

 次は、トレモロユニットです。

  オリジナルは1954年からの1971年の前期までに使用されているスチールをプレスした「FENDER PAT.PEND」の刻印入りブリッジサドルです。この後、サドルは1981年まで、安価なダイキャストの四角いものに変更されます。
 刻印されている「PAT.PEND」 Patent Pending、特許出願中という意味ですよね。
現在は、Vintage シリーズや Custom Shop のレプリカでない限り、「FENDER FENDER」が刻印されているようです。いつ特許を取得したんですかね?

 これに対し、ST-54は「FENDER FENDER」の刻印入りスチールのプレスサドル。虫眼鏡で見なければ区別つかないような部分ですが、もしこだわりたければ、インチスケールですが「FENDER PAT.PEND」の刻印がされた ↓ こんなものも売っています。

 

 ボディーの形状比較の最後は、ピックガードの裏とボディーの処理です。

 オリジナルはポッド部分のみにシールドがなされている。スイッチは3way。
ST-54もシールドはポッド部分のみ、スイッチはハーフトーンが可能な5way。
どちらも、手処理のハンダづけ。この辺は手間がかかってもプリント基盤配線とかにしないのですね。 そこで、自分でポッドやコンデンサを好みのものに簡単に交換できるということですが。

  トーンコントロールポッド用のコンデンサ(ラテン語 英語ではcapacitor)は、オリジナルは、ワックスペーパーモールドコンデンサというものがついています。

 種類はオイルコンデンサ絶縁(油を含浸した紙を誘電体としたもの)のようです。

  ST-54には、一般的な緑いろの丸いガムのような、セラミックコンデンサーがついているようです。コンデンサにはオイル・フィルム・セラミックなどの種類がありますが、これは、絶縁体の種類だそうです。
 トーンボリュームを10(コントロールかけない状態)に していても、コンデンサを信号が通過しているので、コンデンサを交換することで、音が変わるといわれています。もちろんトーンコントロールを使用した場合には、コンデンサの個体性質により、きき具合が大きく変わるということになります。当時の音を出すには、やはり、当時のものを使うという信仰みたいなものがあるようです。

 ピックアップは、どちらも形状はブラックボトムのシングルピックアップで雰囲気はよく似ています。

 

次は、ボディー裏。

 オリジナルのボディーはアッシュの2ピースから3ピースが多かったようです。

 ST-54は、同じくアッシュで、よく見ないとわかりませんが、3ピースボディーです。

 ネックはオリジナルはソフトVシェイプという表記,中厚手のV、large rounded "D"シェイプ、Uシェイプ、Cシェイプ等あらゆる表記が混在しています。

こんな記載がありました。

These early models demonstrate the development of the design and the manufacturing process. The body contours are not as consistent and uniform as later models where automation, jigs and preset machinery was brought online to deal with exploding demand. These are very much handmade instruments.

 (これらの初期のモデルは、製造プロセスとのデザイン開発を実際にやってみたものである。ボディーの輪郭は、オートメーション、治具(ジグ)、プリセットされた機械が需要の爆発に対処するためにオンライン化された以降のモデルのように一貫して均一ではない。これらは、多分に手作りの楽器である。)

 つまり、1954年のStratcasterはプロトタイプであって、製品によって、ネックの形状が少しずつ異なるために、VやUやDやCと感じるようです。ただ、概して太くて厚いという印象のようです。

 ST-54 は、カタログ上、Vシェイプをうたっています。親指にネックがあたる感じが、いま持っているストラト(79年製)の細めのネックと異なり、なんとも、いい感じです。

 オリジナルボディーサイズは、重量7.50ポンド(3.4キログラム)。1 5/8インチ(4.12cm)のナット幅と25.5インチのスケール長とされています。

 ST-54も実測重量3.4キロ。ナット幅実測4.2cm 指板のラジアス 7.25inch=184R。カタログスケール値、324スケール = 648mm = 約25.5inch ですので、完璧な再現性です。

 ネックはどちらも4点止めの長方形プレートですが、オリジナルにはシリアル番号が刻印されています。

 上部カッタウェイまで入り込んだ、深いコンターが特徴的で、ST-54 は非常によく再現されています。

 トレモロのカバープレート。オリジナルは、白の1-plyで弦通しの穴が丸く、初期ロット(200台ぐらい)には上部にシリアル番号がふられています。

 ST-54 は残念ながら、一般の1-plyの部品、それもちょっとミントグリーン風の色です。

 オリジナルのトレモロブロックはボールエンド穴の浅いスチール製です。微妙なテンション感が現行品とは違うと言われています。
 ST-54 は カタログでは DIECAST BLOCK S5D VINTAGE とされていますが、今回ゲットしたものは、
 同じく穴の浅いスチール製に変更されていましたから、再現性良好です。 

 

 ところで、’54 Stratcaster は、当時249.5ドルで発売されたそうです(ケースは別売で、39.95ドル)。1954年当時の平均給与は年3,000ドルだそうですので、月額250ドル。つまり、1か月分の給料に合わせた値段のようです。結構いい値段でしたね。

 

(当時の雑誌広告)

 

 ということで、各項目ごとに比較した結果、Fender Japan ST-54 83DMC は、結構オリジナルの’54 Stratcaster に迫れているという結論となりました。
 あとは、オタクモデラーの技量を発揮して、細々した点を補完してあげれば、ぐっと雰囲気が出るのではないかと思います。結果は後日。 
 

 

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