今朝、出かけようと玄関の階段を降りようとすると、階段の途中にセミがおなかを上にして落ちています。
すでに、周りに蟻が集まってきていて、こりゃ、もうダメなんだなと、よく見てみると、まだ、もぞもぞと足を動かしています。
2年前にも、このブログに書いた、「蝉は一度上を向いてしまうと、すぐ諦めてしまうので、生きている蝉をみかけたら、木にもどしてあげられれば、まだ頑張れるんだ」という話を思い出して、木に戻してあげることにしました。
ここからが感動ものです。これから出かけるのに、直接手で掴むのも何だったので、小さな園芸用スコップを差し出すと、なんと、このセミ、力を振り絞って、そのスコップににじり寄ってくるではないですか!!
守備よくスコップの先に這い上がったので、うちの庭のハナミズキの木の幹の近くに持って行ったら今度は、幹にとまろうと、スコップから少しずつ幹の方へ移動していきます。
やっぱり、このセミ、不覚にも上を向いて落ちてしまったのですが、何とかしてもう一度、木にとまりたかったんだなと、思ったら涙が出そうになりました。
時間はかかりましたが、無事に木の幹にちゃんととまることができました。
鳴くような元気はなかったですが、しばらく体勢を直しながらとまっていました。これで、あと数日は頑張れるのかなと思いそのまま出かけました。
昼過ぎに用事を終えて、家に帰ってみると。
朝と同じところに落っこちて、今度は完全に死んでいました。
結局、死期をさとって、観念して上を向いていたセミを無理やり木に戻して、逆につらい思いをさせたようで、何か空しい気持ちになりました。
やっぱり、落ちているセミは、そのままにして置いてあげたほうが良かったのでしょうか。
ただ、そのままなら、とっくに死んでいたセミが、数時間木にとまっていられたということは、人間にしたら、3か月ぐらい延命したことになるかもしれません。
延命措置にかかわる難しい問題のようです。