国立天文台の定例観望会に参加して、久々に夜空をじっくり眺めたため、このところ星空のことに思いをめぐらすようになりました。
今回のお題目は、観望会で取り上げられたオリオン座。て、いうかこれしか知らないんだよね。
巨人オリオンは海の神ポセイドンの子で、大変に力のある猟師。乱暴で困った大地母神ガイアがさそりを使い、毒針で刺し殺した。その後天にあげられ星座となったというギリシャ神話。
オリオン座は冬の間、空高いところで威張っているが、さそり座が東の空から上るとこそこそと西の空に沈む。さそり座が天上で暴れた場合は、隣にいるケンタウロスのケイロン(いて座)が射殺することになっているそうです。
Yahoo!きっず図鑑より
オリオンのベルトの部分の3つ星が特徴的で、冬の夜空を見ればすぐに見つかる星座ですね。と、知ったかぶっていますが、今回の観望会で初めて認識したしだいです。確かに冬の夜空を見ると、この3つ星はいつも気になっていました。
この星座、いろいろと話題が豊富な星座で、いままで断片的に入ってきた科学情報が星座を起点に考えると関連づけられるという、新しい発見がありました。
1.オリオンの右肩に赤く光るベテルギウス
いままで、「ペ」テルギウスかと思っていました。640光年という近い距離にある赤色巨星ですね。
ハッブル宇宙望遠鏡が撮影したベテルギウス。太陽以外で表面が撮影された初めての星だそうです。さすがハッブル望遠鏡。
サイズ比較のスケールからもわかる通り、その大きさは木星軌道をこえるくらいの太陽の1,000倍もある超巨大恒星です。
しかも、どうもこぶのようなものがあるようで、最近(といっても640年前ですが)急速に縮みはじめていて、近い将来(といっても宇宙スケールで)超新星(といっても韓国のゴリ押しタレントではなくて)爆発を起こす可能性があるとのことです。
この時に、ガンマ線バーストという恐ろしい放射線が地球を直撃し、生命絶滅がおこるのではないかとの予想がされたり、恒星の自転軸が地球からずれているので大丈夫とか、いや、爆発するとき軸がずれるのでわからないぞとか、話題に事欠かない星です。
X線観測衛星「チャンドラ」が捉えたショート・ガンマ線バーストGRB 050709と、その想像図 (c) X-ray: NASA/CXC/Caltech/D.Fox et al.; Illustration: NASA/D.Berry
2.M42オリオン大星雲
オリオン座の横に並んだ特徴的な3つの星のすぐ下に、縦にならんだ3つの星がみえます。その真ん中の星が気のせいか少しぼんやりして見えるのですが、これがオリオン大星雲だったのです。肉眼で見えるなんて感動です。
国立天文台の50センチ望遠鏡で見たら、星雲の中心にはっきり4つ星(トラペジウム=台形)が見えました。
Credit: NASA; K.L. Luhman (Harvard-Smithsonian Center for Astrophysics, Cambridge, Mass.); and G. Schneider, E. Young, G. Rieke, A. Cotera, H. Chen, M. Rieke, R. Thompson (Steward Observatory, University of Arizona, Tucson, Ariz.)
約300個の星からなる散開星団の大部分が宇宙塵に隠されてその一部分が見えているそうで、新しい星が作られている現場だそうです。そういえば、青くてくっきりした星でした。
Credit: NASA, C.R. O'Dell and S.K. Wong (Rice University)
トラペジウムというえば、この写真が印象に残っていて気になっていたネーミングでした。
なんて幻想的できれいな画像なのでしょうか。いかにもガス雲のなかから星が生まれているという雰囲気の写真です。ハッブル望遠鏡最高!!
3.冬の大三角形
Yahoo!きっず図鑑より
「オリオン座」の赤いベテルギウスと、その左下の星空の中でいちばん明るい「おおいぬ座」のシリウス、そして、ベテルギウスの左にある「こいぬ座」のプロキオン、この3つの星が作る三角形です。
◆シリウスは、オリオンのベルトの3つ星を左に伸ばしていけば、明るいからすぐ見つかります。
Credit: NASA, H.E. Bond and E. Nelan (Space Telescope Science Institute, Baltimore, Md.); M. Barstow and M. Burleigh (University of Leicester, U.K.); and J.B. Holberg (University of Arizona)
大きさは太陽の1.76倍、太陽との距離は8.6光年と、お隣さんの恒星ですね。これがもし超新星(なんども言いますが、韓国のゴリ押しタレントではありません)爆発を起こしたら、確実に地球上の生物は絶滅するといわれています。
シリウスA及びシリウスB(白色矮星)の2星からなる連星なんですね。このため50年周期で蛇行しているそうです。近くて明るいため、全天では太陽についで明るい星だそうです。
◆プロキオン
薄黄色の恒星で、距離は11.46光年とこれまたお隣さんですね。また、シリウスと同じく白色矮星との連星だそうです(夜空に輝いている星のうち約25%、生まれたばかりの星については半分以上が連星だといわれている)。直径は太陽の1.86倍とこれもシリウスに似ていますね。
ここまでくれば、芋づる式に星座を覚えていけそうな気がしてきました。やっぱり。実際に観望会に行って星を見るのって大事ですね。
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