がん患者はどんな原因で死ぬのか? 癌で死なないために (3)
免疫力のアップ 霊芝(れいし)の効用
薬用霊芝などのきのこ類に含まれるβグルカンなどの多糖類はリンパ球を活性化して(ナチュラルキラー活性を増加させ)癌細胞の増殖を抑制することが知られています。
しかし、きのこ類の効果が長く続かないのも事実です。効果的な服用方法は、なるべく多くの多糖類を含むきのこ類を複数摂取することです。癌組織が分泌する免疫抑制物質をなるべく体内から排出するために便通や利尿をスムーズにする必要があります。これを漢方用語で通利二便といいます。
免疫力の活力源である腎精を補うことや、健脾和胃をいつも心がける{具体的には補腎薬(ほじんやく)や健脾薬(けんぴやく)を併用する}ことは、きのこ類を治療に用いる場合の基本原則です。
霊芝の効能
各種癌治療における副作用の緩和、白血球減少の防止、免疫機能の増強により、西洋医学の癌治療効果を高めると共に、癌の再発や転移を防止すると中国では報告されています。
中国で市販されている霊芝製剤
中国では天然の紫霊芝が珍重されています。漢方抗癌薬の「紫芝多糖片」(ししたとう片)は紫芝多糖粉からなる製品で、放射線療法、化学療法に伴う白血球減少、血小板減少、貧血などの骨髄抑制を防止改善する目的で用いられています。また紫霊芝には、滋養強壮、養心安神(心神の不安を取り除き、精神の安らぎをもたらす)の効果があるといわれています。霊芝と霊芝胞子が主要成分である「双灵固本散」(そうれいこほんさん)は現在、中国で広く使われ始めた製剤で、消化器系癌手術後、放射線療法や化学療法によって引き起こされる骨髄抑制の防止、体力回復、食欲改善、不眠傾向の改善に効果があると報告されています。霊芝が配合されている漢方抗癌薬は他に、安康欣胶嚢(あんこうきんカプセル)、清肺散結丸(せいはいさんけつ丸)などがあります。中国には食用のきのこが300種類以上あるとされ、霊芝とともに、中国きのこの一種である猴茹の菌を利用した猴?菌片などの製剤も市販されています。
身近なきのことして椎茸などは癌予防の意味で有効な食品です。
季節は秋、きのこ汁がおいしいきせつですね。
でも、くれぐれも毒キノコにはご注意してください。