永野宏三のデザイン館&童画館  アート日和のできごと

イスラエル国立美術館、ミュンヘン国立応用美術館、国立国会図書館、武蔵野美術大学美術館図書館他に永野宏三の主な作品が収蔵。

海峡に漂う。

2009-04-27 11:18:34 | 日記・エッセイ・コラム
下関の壇の浦から門司の田野浦を眺望すると関門海峡の視界が広がって見える。古川薫さんや一坂太郎さん、アーネスト・サトウの維新関係の本を読むと、この場所が外交の海峡となり歴史上でいろいろな事件や物語りを押し流していることがわかる。幕末に壇の浦に四カ国連合艦隊18隻の軍艦が押し寄せ、5000人の英仏蘭米の兵隊が壇の浦に上陸、一時占領してしまった事を今にして思うと衝撃的である。先の大戦で連合国が日本を占領したことは当り前に認識しているが、身近に海峡の側に住んでいると、その事実は何とも言い様のない歴史の出来事にひっかかってしまう。香港・マカオは中国に返還されているが、スペイン・ジブラルタルはフランスの租借地になったままだ。江戸末期にこの海峡で大きい国際戦争があったことを思うと、この海峡がいかに外交のポイントになっていたかが解る。