古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第二十二章 扱い済み證文之事 其の十

2014年06月06日 06時04分59秒 | 古文書の初歩

 

 

「曖済證文之事」第三頁、上の六~七行目

 

解読 右之趣段々相調見申候得共、双方とも

    利害難相分り御座候へ共、右苫草引候

読み 右の趣、段々相調べ見申し候得ども、双方とも

     利害相分けり難く御座候えども、右苫草引き候

解説  「右之趣」・・・右に述べた事情。「趣」は二行前の「通」とほとんど同じですが、少し異なる様です。串本町史に倣いました。 「段々」・・・いろいろ。順を追って。 「相調見」・・・相調べ見。「調見」と言う熟語は有りませんが、「いろいろ調べて見る」と言う意味に解釈しておきます。 「申候得共」・・・申し候えども。いろいろ調べて見たが。 「利害」・・・利益と損害と。 「難相分り」・・・相分けり難く。「分かち難く」が本当ですが、「分り」と言う送りカナが付いているので、「分けり難く」と読みました。利害は分け難い。 「御座候へ共」・・・でございますが。 「右」・・・右に述べた。 「苫草」・・・読むのは困難です。 「引候」・・・引いた(場所)。