古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第十八章 潮御崎神社・古記録その三十

2013年07月13日 07時00分15秒 | 古文書の初歩

 

潮御崎神社古記録「乍恐口上」第八ページ、上の三~四行目

解読 御崎明神ニ而拂之御湯立仕候得者、潮も下り漁

    事も有之義諸人能存たる事ニ而御座候御事。

読み みさき明神にて払いの御湯立て仕り候えば、潮も下り、漁

    事もこれ有る義、諸人能く存じたる事にて御座候おん事。

解説 「御崎明神」・・・又は「水崎明神」・・・潮御崎神社の通称。 「拂」・・・『はらい』・・・お祓い『おはらい』の事。 「御湯立て仕り候えば」・・・御湯立て神事を行えば。 「潮も下り」・・・下り潮に変わり。「下り潮」・・・西から東へ流れる潮流。つまり黒潮の流れ。鰹等の回遊魚は黒潮に乗って日本列島に近づきます。これに対し。「上り潮」とは東から西へ流れる潮流。(くるい潮)(通常でない潮)鰹等は遠のく。 「漁事も有之義」・・・漁も有ること。 「諸人」・・・多くの人。世の中の人。 「能」・・・『よく』。 「存たる事ニ而」・・・存の次のカナは変体仮名の「多」です。久し振りに出ました。 「お宮でお湯立て神事を行えば、潮も正常に変わり、漁獲も回復する事は、多くの人が能く知っている事であります。

七月十日、第二十七の「世忰」の「世」は不明と書きましたが、「世」を「せ」と読み、「世忰」で『せがれ』と読むのではないかと、一読者から指摘されました。