今週初、土日を越えただけでマーケットの様相は激変した。
米国の中規模の銀行の破綻だけならマーケットへの影響は限られたものとなると考えていた。ところが、クレディスイスに懸念が飛び火した。デリバティブのカウンターパーティとして取引の相手方となる大手銀行に懸念が出ると影響は大きくなった。過去数年、懸念はあったものの表面化することは無かった。ただ株価は正直なので5年間で1/10になっていた。ここに短期的な株価下落の攻勢のもと経営不安が表面化した。
今週末、スイス国立銀行はUBSに買収を打診しているようで成り行きが注目されている。
以下Bloombergから引用
スイスの銀行UBSグループと同国の銀行規制監督当局は、苦境に陥ったクレディ・スイス・グループを買収もしくは分割する案を早急に取りまとめるための協議を19日も続けている。20日のアジア市場の取引開始前の発表を目指す。
スイス政府による一部負担の肩代わりやクレディ・スイスの投資銀行部門の扱いといった難題をクリアする必要がある。
UBSはクレディ・スイス救済のための買収の可能性に当初難色を示していたものの、当局の催促を受けてクレディ・スイスの深刻な信用喪失の危機に歯止めをかけるため、迅速に執行可能な仕組みを模索している。協議について説明を受けた複数の関係者が明らかにした。
関係者によれば、UBSはスイス政府に対し、何らかの買収で合意した場合、法的費用の一部や将来的に発生するかもしれない損失の肩代わりを求めており、ロイター通信はその金額を約60億ドル(約7900億円)と報じた。
UBSとクレディ・スイスといった世界の金融システムにとって重要な銀行の統合に至った場合、2008年の金融危機以来となり、複雑な協議にはスイスと米国の当局が関与していると、関係者の一部は話した。
クレディ・スイスの顧客が同行から資金を引き揚げ、取引相手行も同行に関連した一部の取引を拒むなどしており、全関係者が早急な解決を目指して協議を加速させている。関係者の話では、遅くとも19日夜の合意発表が目標となっている。(引用おわり)
情勢は予断を許さず、困難な面も多そうだ。クレディスイスのもつ資産や取引ポジションに含み損がある場合の補償や日本で言う所の独占禁止法でスイス国内の寡占となることなどハードルは高いと言わざるを得ない。
これが成立すれば目先の懸念は和らぐだろうし、金曜日のtripleウィッチングを過ぎて先物やオプションの建玉も清算されて持ち高が軽くなっていると思われる。
クレディスイスの下落の影響を受けて、BNPパリバなどのリーマンショック時に大きく売られた金融機関の株価動向も気になる。
これまで大きすぎて潰せないと思われていた金融機関も一つのきっかけで大きく揺さぶられる状況はまだ続くのか?
週明け前半の動きで5月のGWくらいまでの相場の方向が決まってしまうのではないかと考えている。
元気出して行こう!
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