クールジャパン★Cool Japan

今、日本のポップカルチャーが世界でどのように受け入られ影響を広げているのか。WEB等で探ってその最新情報を紹介。

『日本はアニメで再興する』(1)

2010年04月12日 | coolJapan関連本のレビュー
◆『日本はアニメで再興する・クルマと家電が外貨を稼ぐ時代は終わった (アスキー新書 146)

今日は、「日本の長所」の続きは休んで、昨日触れた櫻井孝昌のこの本について、印象が強い間にレビューしておこうと思う。

この著者の本は、『アニメ文化外交 (ちくま新書)』、『世界カワイイ革命 (PHP新書)』と、出版されるたびにこのブログでも取り上げている。外務省アニメ文化外交に関する有識者会議委員や、カワイイ大使アドバイザーなどの役目を持ち、世界を飛び回って、いま世界で日本のポップカルチャーがどのように熱狂的に迎えられているかを、生々しくレポートしてくれる。世界中の現場の熱を肌でじかに感じ、日本人がいちばんその熱狂を分かっていない、これでいいのか、と読者に訴えかける。三冊の中ではこの本がいちばん著者の熱っぽさを感じた。

本の冒頭では、2009年11月に氷点下のモスクワで開催された第一回目の『ジャパン・ポップ・カルチャー・フェスティバル』の様子が語られる。オープニングで特別上映される『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』を観るため氷点下の中を4時間近く並んで待つロシアの若者たち。会場をおおうマグマのような日本熱。日本への片思いにも似た熱い想いとジャパン情報への「飢餓感」等々が、著者の強い驚き・衝撃とともに報告される。

同様の報告が、フランス、ブラジル、スペインと続く。著者は、世界のあちこちで何度もこの種のフェスティバルを開催したり、招かれて講演したりしているが、行くたびに新たな驚きがあるようだ。

今度の本で強調されていることをいくつか紹介しよう。

まず、海外に出るたびに現地のメディアからされる質問。
「若者たちの考え方や生き方に、アニメやマンガがものすごい影響を与えていることを日本人は知っているのですか?」

この質問は、以前の本にも紹介されていたが、同じような質問が色々な国で何度も出るとは知らなかった。ということは、アニメ・マンガが世界の若者の生き方に与える影響がかなり普遍的なものになっているということだろう。そしてその事実を知らないのは日本人だけということに、世界の人々がうすうす気づいているから、こういう質問が何度も出るのだろう。

逆の言い方をすれば、若者の考え方や生き方に大きな影響を与えるだけの内容や魅力や力があるからこそ、これだけ世界の若者に受け入れられているということだ。

では、アニメ・マンガに表現される日本人の考え方や生き方のどういう面が世界の若者に影響を与えているのか。こういうことについても日本人は無自覚だ。

ちなみに、その辺を少しでも明らかにしていきたいというのが、私自身の重要なテーマになっている。

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