◆『ウォーター・マネー「水資源大国」日本の逆襲 (Kobunsha Paperbacks 123)』
日本の水関連技術は、きわめてハイレベルで、世界リードしており、世界の水危機を救う可能性を秘めている。その「水テクパワー」は、世界が強く求める不可欠のものなので、水技術で、石油や食糧との取引おこなうこともありうる。ここから日本の逆襲がはじまるだろう、というのが著者の主張だ。
今、地球規模で水不足や水汚染が深刻となっている。すでに世界の46カ国で27億人が水に関して危機的状況におかれている。とくに安心して水を飲めない人々が13億人もいる。国連は「現在の汚染が続けば、2020年までに1億7000万人が命を失う」といい、現事務総長は「水をめぐる対立は、いつ戦争に発展するかわからない」と警告する。アフリカや中東、中国やインドは急速に水不足が日常化するようになった。
そのなか、日本の造水技術や水浄化技術が、世界で欠かせない役割を果たすようになった。具体的には、海水の淡水化に必要な逆浸透膜の技術や、排水や汚水を生活用水としてよみがえらせるリサイクル技術では、日本が世界で圧倒的なシェアを誇っているのだ。日本の淡水化プラントによる水を、10億人を超える人々が日々利用している。しかも、1トンあたり10円の安さでだ。
著者は、日本の水技術の詳細だけでなく、世界の水問題の深刻さ、とくに中国の水不足と環境汚染が世界にもたらすだろう深刻などを丹念に調べ上げてこの本をまとめている。水の豊かな日本では盲点になりがちな水問題が、世界ではここまで深刻であることについて認識を新たにするだろう。そして、この問題に関して日本が果たすべき役割が、いかに大きく、急を要するものであるかについても。
ペーパーバックスの安価な本だが、きわめて情報量は多い。
日本の水関連技術は、きわめてハイレベルで、世界リードしており、世界の水危機を救う可能性を秘めている。その「水テクパワー」は、世界が強く求める不可欠のものなので、水技術で、石油や食糧との取引おこなうこともありうる。ここから日本の逆襲がはじまるだろう、というのが著者の主張だ。
今、地球規模で水不足や水汚染が深刻となっている。すでに世界の46カ国で27億人が水に関して危機的状況におかれている。とくに安心して水を飲めない人々が13億人もいる。国連は「現在の汚染が続けば、2020年までに1億7000万人が命を失う」といい、現事務総長は「水をめぐる対立は、いつ戦争に発展するかわからない」と警告する。アフリカや中東、中国やインドは急速に水不足が日常化するようになった。
そのなか、日本の造水技術や水浄化技術が、世界で欠かせない役割を果たすようになった。具体的には、海水の淡水化に必要な逆浸透膜の技術や、排水や汚水を生活用水としてよみがえらせるリサイクル技術では、日本が世界で圧倒的なシェアを誇っているのだ。日本の淡水化プラントによる水を、10億人を超える人々が日々利用している。しかも、1トンあたり10円の安さでだ。
著者は、日本の水技術の詳細だけでなく、世界の水問題の深刻さ、とくに中国の水不足と環境汚染が世界にもたらすだろう深刻などを丹念に調べ上げてこの本をまとめている。水の豊かな日本では盲点になりがちな水問題が、世界ではここまで深刻であることについて認識を新たにするだろう。そして、この問題に関して日本が果たすべき役割が、いかに大きく、急を要するものであるかについても。
ペーパーバックスの安価な本だが、きわめて情報量は多い。