ブログ人 話の広場

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目の不自由な高校生と絵を見る

2005-08-25 18:19:43 | ブログ
 近代美術館の作品解説のボランティアをして、もう14回も解説をしました。 黙って聴く人、時々質問を挟む人、共感を浮かべるような表情、いろんな鑑賞者と出会えて、あとで「やっぱりこうして説明をしていただくと分かりやすいですね」といわれるとこちらが嬉しくなります。今開催中の常設展はあと3日ほどで終わります。

 昨日は盲学校の高校生たち12名の生徒さんたちが来てくれました。ほとんど全盲や弱視の子供で白杖を持つ子が多いのですが、中にはすたすた自分で勝手に歩く勇気のある高校生もいて、極度の緊張の中でとても得がたい体験をしました。 長さが7mもする作品を解説しながら、今自分がどこを見ているか、どんな情景だろうか、とうまく頭に浮かべながら見るというより聞いてくれているのです。”時間でいえば9時のところにトンボが飛んでいます”などとイメージしやすいように伝える難しさを体験しました。

 色の表現、位置、方向、全体がどんな絵か、を一つ一つ言葉を選びながら、一人の青年に楽しんでもらえるようにやってみました。 時間はわずか1時間でした。町の人に会い、街を歩き、電車に乗り、そして身術間に来る、誰でもするようなことを当たり前のようにできる社会へのお手伝いは自己反省しきりでした。 でも子供たちは大いに笑顔を見せて楽しんでくれたようにぼくには見えました。

 私たちが相手にとうとうと話していても、それが案外通じていないかもしれない。それは多分相手のことを考えずに自分の側で考え、話し、行動するからでしょうね。また新しい勉強をしたような気がします。    
                                                        やさしいタイガー


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