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大事なマリッジ・センター閉鎖

2018-06-11 17:18:12 | 社会・経済

 1964年から北海道唯一の民間結婚相談組織「北海道マリッジ・カウンセリング・センター」が、                      今年8月で閉館するとの通知をもらった。民間には他にも結婚相談団体はあるよ、と指摘され                        そうだが、確かにあるだろう。そのすべてがビジネスとしての企業組織であり、このような非営利                   団体が結構相談に打ち込む、という団体はここをおいてない。

 その点で北海道唯一といったのである。「北海道マリッジ・カウンセリング・センター」が立ち上                  がったのは60年代半ば、この時代は経済的には上昇気流に乗ってっていて、日本全体が働き                     蟻の巣のような状態だった。

 若い人は大いに希望を持って歩んでいたことだろう。「おれについてこい」 「かぎっ子」さらに                  「三種の神器」と浮かれ気味の言葉が飛び交う時代でもあった。その一方で社会は次第に廃れ、                疲労気味になった。政治も不安定でやがて公害や藩社会行動が世間を揺るがした。

 そんな環境を潜り抜けるように変容する若者の価値観は多様化していくが、いつの世もパー                      トナーを求める思いは変らぬものだ。その手伝いをしようと立ち上がったのがこのセンターで                     あったと想像する。

 このセンターの重要な使命はさらにパートナーに恵まれない農・漁村地帯に手を差し伸べる                   ことも重要事業だった。道内全域にわたり地方自治体とも共有しながらスタッフは巡回し、出会                     いの機会を取り次いできた。後継者のいない農・漁村、さらに高齢化して労働者不足など現代                   社会の中でまるで取り残されるような事態にも果敢に取り組んでいた。

 しかし閉館の文字からは、使命は十分を果たしので閉館するとはとても思得ないもので、むしろ無念さが滲みあふれていた。財政基盤が崩れてしまったのではないかと想像する。まったくの自立的集団であっただけに自治権力とは一線をかしてきた。助成を受けるか否かは母体の価値観によるが、このセンターは受けなかったらしい。

 総じて日本のこうした組織は周辺に実力者らしき人物や社会的に高位置にある人物を配置してイメージアップを計る傾向にあるが、実際に組織を支え、助言を与え、牽引する力を発揮して物心両面に支える人材ではない。

 現場の人々は日夜の働きに腐心しながらも成果が出ないことに悩み、苦しみ、最後は組織の返上ということになってしまう。それにもう一つ、社会が緩急混ぜて変化していくが、その波に載れずに古色なままイノベーションが不完全ということもある。このような良心的集団が無念の落涙の下で終焉していくのはその地方の文化の程度が計られる。ぼくは献身的なスタッフの方々を知るだけに自らも悔しさを残すのである。

やさしいタイガー


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