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『ひょうごの野の書』

2023-10-10 11:51:15 | 本・雑誌
必要があってこの本を手に取った。

『ひょうごの野の書』(村上翔雲著・神戸新聞総合出版センター・昭和58年刊)。
これ名著です。
今ならもうこんな本は作れません。
「あとがき」の最後にこうあります。
「この二年余り、県下各地をご案内くださり、各種資料の提供などご指導くださった宮崎修二朗先醒に深甚の謝意を捧げます。ありがとうございました。」と。
そう、この本は村上翔雲師と宮崎修二朗翁の二人三脚で生まれたもの。
いい本でないわけがない。
パラっと開いたページ。

有名な中川一政画伯の書の拓本。
本文にこんなことが書かれています。
「この拓本を持ち帰ったら「子どもの字によく似ているね」と家人の言。まさにその通り。」と。
そして中川一政の言葉。
「字を書きたいが下手だからといふ。上手下手を考へることはいらない。上手でも下手でも結局は同じことである。書に興味があったら誰でも書いたらよい。私はその見本である。自分の書がうまいと思ひだしたら其の時から堕落が始まる。鼻持ちならない字になると思ふ。」
いいですねえ。わたしも勇気が持てます。
 
コメント
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