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喫茶 輪

コーヒーカップの耳

「ア・テンポ」58

2020-12-01 13:46:34 | 
徳島市の詩人、梅村光明さんからお送りいただく。

「ア・テンポ」58 です。
表紙絵は由良佐知子さん。彼女らしい抽象画でこの詩誌に合っています。
由良さんは詩誌「火曜日」が終刊したあと、この「ア・テンポ」で書いておられました。
しかし残念ながら昨年お亡くなりになってしまいました。
素晴らしい人柄で、わたしは大好きな人でした。
もっともっと近づいてお話しておけば良かったと後悔しています。
と言っても、けっこう話はさせてもらっていましたが。

現在同人は11人。みなさんレベルの高い人ばかりです。
その中のこれは山口洋子さんの「みみず笑う」です。
 ←クリック。

 ←クリック。

「おばあちゃん みみずは笑うよ」がいいですねえ。


そしてこれは、梅村さんの「廣島点景」連作6篇のうちの「川」です。この夏、広島平和記念資料館を50年ぶりに訪問されたとのことです。
 ←クリック。

最後の3行にわたしは注目しました。

ほかに梅村さんが「連句を楽しむ」の中で井伏鱒二の「黒い雨」について書かれているのに興味を持ちました。
わたしの勝手な解釈ですが、「井伏はちょっとずるいところがあったのではないか」ということ。
人の作品を自分のものとして出してしまうところ。
それは拙著『触媒のうた』でも少し取り上げました。
あの「さよならだけが人生だ」で有名な「厄除け詩集」ですが、あれには種本があったということ。
ちなみに、私の手元にある、井伏の直筆ハガキです。


『完本コーヒーカップの耳』 読んでくださる人の心に暖かな火が灯りますように。
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詩人は泣き虫

2020-12-01 09:51:23 | 本・雑誌
『雨と詩人と落花と』の終盤を読んでいる。

時代小説だが、わたしはこれは夫婦愛の物語だと思う。
儒者であり漢詩人の夫旭荘と妻松子の物語。
病身の松子と子どもの孝之助と旭荘が三人で散歩している。
旭荘が詩を詠ずる。
杜甫が遠くにいる妻への思いを謳った詩「月夜」。

《杜甫は妻を恋い慕い、会いたいと願いつつ、涙を流すのだ。
「杜甫という詩人も旦那様と同じように泣き虫だったのでございますね」
松子が笑いながら言うと、旭荘は、
「詩人は皆、泣き虫だ。いや、泣き虫だから詩人になるのかもしれんな」
と言いながら孝之助とつないだ手を大きく振った。孝之助ははしゃぎながら、
「わたしは泣き虫ではありません」
と言った。旭荘は笑った。
「そうかな、母上が寝ていると、台所の隅で泣いていたのは誰なのだ」
孝之助は、考えてから、
「それは父上です」
ときっぱり言った。
「そうか、わたしか―」
旭荘は微笑んで真っ直ぐに歩いた。》


いい場面だ。
新婚当初の旭荘は短気で、すぐに妻を打擲したものだった。
それが時を経てこのようになって。
もうすぐ物語は終焉。

『完本コーヒーカップの耳』 読んでくださる人の心に暖かな火が灯りますように。
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病院にて

2020-12-01 08:16:19 | 健康・病気
昨日のこと。
予約時間13:45の少し前に着いて受付すます。
検査所前で本を読みながら待つ。
呼ばれて、心電図室で1分間心電図。
「胸ドキドキしてはります?」と看護師さん。
「不整脈がありますので」。
終わって、診察室前で呼ばれるのを待つ。
『雨と詩人と落花と』を読みながら。

いつも病院には嵩張らないように文庫本を持参するのだが、今回は図書館からお借りしている単行本。
やがて呼ばれて、O先生から説明を受ける。
そして、入院手術日を相談され、決める。
後、CT検査を急遽受けることになり、それが16時の予定。
たっぷり時間があるので、一度自宅へ帰ろうかと思ったが、本を読んで待つことにする。
『雨と詩人と落花と』がいい本で、なんともいえない夫婦愛の物語。
涙を催しそうになる。葉室麟さんはいいなあ。
やがて、点滴の針入れで呼ばれる。
検査着に着替え。ズボンはそのままで上だけ。
そこからは本を手にすることはできない。
更衣室のロッカーに入れてしまったので。
そして針入れ。
これは先に書いたように、看護師さんが気の毒だった。
検査着のまま、待合所でテレビを見ながら待つ。
そのテレビ、槍ヶ岳をドローンで撮影するという番組。
この前読んだ本『孤高の人』の舞台だったので、興味深く見た。
4時になってやっと呼ばれて、胸部CT検査室へ。
いろいろと注意説明を受けて(これまで何度も経験しているが)約20分。
終わって、会計へ。
ここでの待ち時間が結構あって、5時ごろにやっと呼ばれる。
支払いすまし、5階の入院支援センターへ行き、入院手続き。
部屋の希望申告など、書類いろいろに記載署名。
これも前にやったこと。
あと薬剤師さんの説明を受ける。
終わって、病院を出たのが5時過ぎ。
そして処方された薬を隣の調剤薬局でいただいて自転車で帰宅。
すっかり暗くなっていた。
ああ、疲れました。
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