お客さんの清水さんの話。
お孫さんの友達が家に遊びに来ていて、将棋の話になったと。実は清水さんも将棋が好きでうちのお客様になって下さった人。
で、そのお孫さんのお友達と話していたらその子が「宮水ジュニア」に行っているということだったので話を進めると「imamura」の名前が出たのだと。
そして、その子が言うには、将来、「将棋を教える人になりたい」だったと。
これはうれしいではないか!
その子の名前を聞くと、N君。大いに思い当たる。いつも一番前の席に着き、わたしの話を一生懸命目を輝かせて聞いている子だ。しかも、今年度前期のクラスにも参加していて、西宮浜公民館まで通って来ていた子だ。いわば私のオッカケである。こんな子が何人かいる。
で、N君だが、先日の最終回に、詰将棋解説の役をわたしの代わりにやらせたのだった。上手にできたので褒めたのでした。
それにしてもうれしいですね。
将棋の好きな子どもは普通、将来は「プロ棋士になりたい」というものでしょう。
ところが彼は「教える人に」と。きっとわたしの姿を見てそう思ってくれたのだ。ありがと、ありがと。自信が出来ます。
今朝の「正平調」の後半。
井上靖の「人生」という詩が引かれている。
わたしは遠い昔、この詩に大いに感動した。まだ詩に興味を持つ前だから独身時代のこと。
米屋を専門に回ってきておられた「武田食品」の営業マンに西本紘二さんという人がおられた。
優れた営業マンだったが、お人柄も素晴らしく、わたしは親しくお付き合いさせて頂いていた。今も年賀状交換をさせて頂いている。
ある時、この人がわたしに本をプレゼントして下さった。薄い文庫本のそれは、井上靖の『北国』という詩集だった。
その巻頭にこの「人生」という散文詩が置かれていてわたしは衝撃を受けた。
それからである、わたしが多少、詩に興味を持ったのは。しかし自分が詩を書き出したのはもっとあと、子どもが出来て言葉を発し出してからのことだった。けど、この「人生」という詩が大きく影響していることは間違いない。今も折りに触れて読むことがある。