Sさんからお借りして、芥川賞二作が載っている『文藝春秋』を読んだ。
最近の芥川賞は私には解らないのが多いが、今回のは良かった。
朝吹真理子さんの「きことわ」は時間の経過の不思議さを書いて秀逸でした。と、わたしが言
っては生意気でしょうか。
西村賢太さんの「苦役列車」は、大いに共感するところがあった。
作者も主人公も中卒だからだろうか。微妙な心情描写に悲しいほど共感してしまいました。
〇
ところで、『文藝春秋』ほどのものが、これは?と思える箇所がありました。
これです。受賞者インタビューの中の一節。
以前もこのブログにこの言葉のこと書きましたが、使い方間違ってます。
朝吹さん、校正刷りを見せてもらえなかったのでしょうか?彼女、多分恥ずかしい思いをしておられるのでは?
高島俊男さんが、この言葉についてこう書いておられます。
最近では、激励する意味で使うことも許容されて来てますが、その場合はせめてカタカナで
「ゲキ」とすべきでしょう。まして、芥川賞作家の言葉に、この字をあてるとは!天下の『文藝
春秋』ともあろうものが。
この本に、たまたま高島さん、小文を書いておられます。阿川弘之さんの『天皇さんの涙』とい
う本の書評です。なかなか勉強になりました。