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喫茶 輪

コーヒーカップの耳

「なくてはならないもの」

2024-04-09 10:15:52 | 
『世界はうつくしいと』に載っている詩、「なくてはならないもの」にハッとさせられました。

《 (略)
  なくてはならないものなんてない。
  (略)
  なくてはならないものは、けっして
  所有することのできないものだけなのだと。
  (略)
  素晴らしいものは、誰のものでもないものだ。
  (略)                 》


次のページに続く。

当然な、何でもないことなのに、ハッとさせられます。
       
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『世界はうつくしいと』

2024-04-08 10:55:05 | 
久しぶりに新刊書店で交流のない詩人の詩集を買った。



好きな詩人の一人、長田弘さんの『世界は美しいと』(みすず書房・1800円+税)。
2009年に第一刷が出ているがこれは2023年12月に出た第20刷。
詩集でこれほどの版を重ねるものは珍しいのでは?

昔は長田さんの散文詩をよく読んだ。
大好きなのです。
この本の巻頭詩。




ゆっくりと読み進めよう。

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『木想』第14号

2024-03-28 14:26:31 | 
詩と散文の同人誌『木想』第14号を神戸市垂水の詩人高橋冨美子さんからお贈りいただきました。彼女と山下寛さんの二人誌。

表紙写真は高橋さんのご子息、高橋俊仁さん。この人の写真展を昔一度、甲南大学に観に行ったことがあります。

詩のページよりも散文のページの方がよほど多い。44ページもあって読みごたえがあります。

高橋冨美子さんとは以前詩の同人誌「火曜日」での仲間でした。
「火曜日」同人時代は楽しかったです。
毎号の合評会。そして年に一回の研修旅行などイベントがあって、安水稔和先生の指導の下に勉強しながら旅行も楽しんだのでした。
そうそう忘年会も楽しかった。あんな時代はもう来ないなあ。

また高橋さんは将棋の女流アマチュア棋士でもありました。
その経験からの『駒袋』という詩集は将棋ペンクラブ賞(だったかな?)を受けておられます。
ほかにもいろんな賞を受けておられるベテラン詩人です。
ということで、そのレベルは高く、浅学のわたしでは十分に理解できないものもこれまでにありました。
現代詩という船の舳に立つ人という印象です。

さて今回の作品。一篇上げましょう。

巻頭の「午睡」です。
やわらかな言葉で広々と描かれています。難解な言葉は使われておりません。
しかし言わんとすることはわたしにはすぐには解りません。これが現代詩ですね。
なにか心のうちにあるものを高層マンションの窓の向こうの海景色の中に繰り広げているような趣があります。
「とっくの昔に死んだ女(ひと)」とは誰?
これはある一人ではなく(それもあるのでしょうが)、もっと大きなものを指すのかも知れません。
読む人それぞれの胸の中に立ち現れるものなのでしょう。

勝手なことを書きました。彼女は笑うかもしれません。多分見当はずれなのでしょう。
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一円の詩集

2024-03-25 11:52:34 | 
必要があって探したが、なかなか見つからなかった。でも出てきた。
三好達治の詩集『春の岬』。



昭和14年発行。
わたしが初めて購入した詩集だったと思う。
昭和55年に古本屋で買ったのだが、わたしはその店を東口商店街にあった古本屋と思い込んでいた。
ところが「蝸牛」のラベルが見返しに貼ってあって、思い違いだったのだ。40年以上も昔だから記憶違いも仕方ないか?
値段は?と思って見ると、カバーに¥100とある。
え?100円?昭和14年の100円はめっちゃ高くないか?
よく見ると、¥1、00だった。



一円というわけだ。
蝸牛さんでいくらで買ったかはもちろん忘れている。
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『ひょうご こどもの詩と絵 44』

2024-03-22 10:00:52 | 
詩人の渡辺信雄さんからお贈りいただきました。


『ひょうご こどもの詩と絵 第44集』です。

中学生の作品も少しありますが、小学生が主なアンソロジーです。
やはり低学年の詩が面白い。
毎年お贈りいただきますが、わたしはこの本の中の宝物を探すのが楽しみなのです。
キラリと光る宝物を。

やはり一年生がいいですね。
これはどうでしょうか?

「だいはっけん」です。 藤井壱颯さん たつの市立香島小学校一年。
「しろより、もっとしろいは」とか「ちょうちょのはねみたいに」とか、
驚きの様子が活き活きと、しかも読む者に見えるように書かれています。
これが一年生の作とは素晴らしいです。

太子町立太田小学校一年、和田朋己さんの「ちょっとおにいちゃんきぶん」も心の動きがよく書けていて素晴らしかったです。


これは二年生の高島康生さんの「ぼくの自まん」です。 福崎町立田原小学校。

なんか愉快な出だしです。自慢が嫌みではなく、ユーモアになっていますね。
二年生のこの子にもすでに人柄が現れているような気がします。

三年生、名村望虹さん。たつの市立河内小学校。

「わたしとお母さんをつないでいたもの」。
タイトルもいいですね。
なかなか経験できないことをお母さんへの愛情を込めて書かれています。
読んだ者も驚きを共有できます。

三年生ではほかにたつの市立香島小学校の中村結香さんの「中村一家の大さわぎ」が、大騒ぎの様子が活き活きと書かれていて面白かった。
そして、たつの市立小宅小学校の三木まひろさんの「レッツクッキング」。長い詩ですが、最後までリズム良く書かれていて良かったです。

四年生。
宝塚市立高司小学校、平川和花さん。「声がふるえた発表会」。

緊張の様子が話し言葉でかかれていて、それが効果的です。これが書き言葉なら、これほどの臨場感はないでしょう。

四年生ではほかに市川町立鶴井小学校、上田結仁さんの「たこやきパーティー」が良かったです。
おばあちゃんの登場がリアリティーがあって匂いまで伝わってきそうでした。
そして、たつの市立神部小学校の中村優太さんの「クワガタつよし」が個性的。
冒頭の三行 
    ぼくは、毎日ゼリーを見て/なくなっていたらあげる。/クワガタにだ。
この三行目、下手すると嫌みになるがこの場合は許されそう。
自分を客観的に見ていてユーモラス。タイトルもユニークでなかなかの書き手です。

小学生でも高学年になると理屈っぽくなってきて詩としては難しくなってきます。
その中でこれ。

神河町立神崎小学校五年生、中夜花南さんの「おばあちゃんの家」です。
自分と周りの人との情況が、その心の中まで冷静によく書けてますねえ。
冒頭の二行目「わがままを直すための訓練をするためだ」には声を立てて笑ってしまいました。

六年生です。
たつの市立揖保小学校の宮崎樹さんの「おそうじの秋」。

ユーモラスです。楽しいです。構成も上手いですねえ。


中学生からも一篇。

香美町立村岡中学校三年生 谷渕彩葉さんの「夏の光は」です。
これはなかなかの詩ですね。巧みな暗喩が使われていて、読む者それぞれに、その人なりの想いを想起させます。
いい詩人になるのでは?

最後に編集を担当された渡辺さんのことばを上げておきます。
渡辺さんは今、目の調子が優れないということで大変なご苦労をされたようです。
でも子どもの詩を選ぶのは楽しいことだから頑張られたのでしょう。
ご苦労様でした。


『完本・コーヒーカップの耳』 詩ごころいっぱいの本。
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詩誌二冊読了

2024-03-09 11:36:50 | 
詩誌二冊をお贈り頂きました。
『現代詩神戸』284と、
『リブィエール』193号。



神戸の詩人永井ますみさんから。
どちらもみんな読ませて頂きました。
『現代詩神戸』では、直樹一雄さんの「年賀状」が、そして、
『リブィエール』では、永井ますみさんの「月給って」が好きでした。
なかなか自分の気持ちにピッタリくる詩はありませんね。
やはり自分で作るしかないですか。
昔はわたしの好きな詩人がたくさんおられましたが。
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「読者文芸欄」の役割

2024-02-26 08:24:29 | 
今日の神戸新聞の読者文芸欄、詩の部は凄かった。
どれもドラマチック。
読むものの心を深く抉るような作品。
「作品」という言葉が軽く感じられてしまう。
生活に即したところから、叫びのようなものが聞こえてくる思い。
新聞の投稿欄ならではの詩かも知れない。
新聞のひとつの役割かも知れない。
というより、そうなのでしょう。
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『芦屋芸術』19号

2024-02-25 16:37:54 | 
芦屋の詩人、山下徹さんからお贈り頂きました。



『芦屋芸術』19号です。
200ページ近くあります。
詩が主ですが、散文もあります。
わたしがなじめるのもありますが、苦手なのもあって、全てを味読できません。
馴染めるものの中には、心を動かせられる作品もありました。
でも、どうしても斜め読みしてしまうのもあります。すみません。
要するに勉強不足なんですね。
あるいは食わず嫌い。
でも今さら新しいことを勉強する時間がありませんし、
自分の好きなものを読み、自分が書きたいものを書いて行くしかありません。
もうちょっと自分のできることをがんばっていきます。

今日の六湛寺川です。

冷たい雨が降ってます。

『完本コーヒーカップの耳』 わたしの生涯の傑作。もう二度とこんな本は書けません。


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『別嬢』118号

2024-02-21 18:41:49 | 
加古川の詩・随筆・批評誌『別嬢』118号を読ませていただきました。


皆さん奇を衒わずに書いておられて好感が持てます。
中で、この作品に感服しました。
徳田隆一さんの「神さまの文章」です。




思わぬ方角から弾が飛んできたような衝撃を受けました。
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『大阪の子』

2024-02-19 09:01:48 | 
カテゴリーを「詩」の部に入れたが、これは作文集。



昨日大阪の孫の家に行った時、冷蔵庫の横にさりげなく置かれてあったのを読んだ。
といっても一年生の部だけ。
読んでいたら娘が「それどこにあった?」と言うから、
「そこ」と言うと、「やっぱりね」と。
「その辺に置いておいたらジーチ、読むで」と言っていたのだと。
まんまとはまったか。
でもまあ、しゃあない。
けど、面白いのがない。
兵庫県で出している『こどもの詩と絵』の方がよほど面白い。
詩と作文の違いはあるが。
大阪のはみんな行儀が良すぎて驚きがない。
ハッキリ言って平凡。
そんな感想を持ちながら読んでいたのだが、これにびっくり。

スキャンではなくスマホ撮影なので読みづらいですが。
佐野優羽くんの作文です。
最後まで読むと「ドッヒャー!」です。
小学一年生ですので、この最後、テクニックを使ったとは思えません。
しかし見事に決まってます。
恐れ入りました。
大阪の子をなめたらあきまへん。
残念ながらfumiの作文は採用されてませんでした。
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『烏の中身は空』読了

2024-02-17 18:55:47 | 
この前、2月8日のこのブログに「ビッチェズブリュー」と題してちょこっと書きました。



詩集『烏の中身は空』(中尾彰秀著・森羅通信の会・2024年3月3日発行)ですが、
その後バタバタと忙しくしていて、やっと読み終えました。
著者の中尾さんとは直接お会いして言葉を交わしたことはありませんが、
何かの会でお姿をお見かけし、ピアノ演奏を聴いた覚えがあります。
多才な人なんですね。
本の略歴欄も2ページにわたって記されていて圧倒される思いです。
詩歴と同じように詩集の作品はバラエティーに富んでいて、楽しませてもらいました。
作品一つ紹介しましょう。わたしが最も面白いと思った詩です。「大ミミズ」です。

皮肉交じりの批判とユーモア、そして最終行の「大ミミズ梵字となりて夏を超す」という俳句が印象的です。
さすがベテランですね。
中尾さん、ありがとうございました。
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ビッチェズブリュー

2024-02-08 18:25:22 | 
今日届いた詩集です。

和歌山の詩人、中尾彰秀さんの『烏の中身は空』(森羅通信の会出版)。
第27詩集とのこと。凄いですね。

取りあえずページを開いたのですが、巻頭詩にびっくり。

この中の「ビッチェズブリュー」というのに驚きました。
実は「ビッチェズブリュー」はわたしの長男が所属しているブルーグラスバンドのバンド名なのです。
あまりいいバンド名ではないと思ってたのですがねえ。
言いにくいし覚えにくいです。
始めは取りあえず付けた名前だと言ってましたが。そしていいのが思いついたら変えると。
でも、もう何年になるのか。
一向に変える様子がありません。
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『つゆむすび』

2024-02-08 11:00:23 | 
加古川の七彩(なな)さんからお贈りいただきました。



『つゆむすび』という個人詩誌。
七彩さんは、やはり詩人だった故松尾茂夫さんのご息女です。
お父さんがお亡くなりになってから詩に目覚められたようですが、さすがです。
丁寧なお手紙が添えられていました。
「グレーの文字色が薄かったり、フォントサイズが小さかったりと少々読みにくいかもしれませんが」と書かれている通り、
文字の薄いところはわたしの目には無理でした。

全体的にわたしにとっては新鮮な詩でした。
全体を代表するような詩がこれではないでしょうか? 
「銀の降る」。

わたしが個人的に良かったと思ったのは「ある暖かい十月の日曜日」という作品。
ここには上げませんが2ページにわたって載っています。人生の中の一つの区切りのようなドラマ性があって好きです。

もう一篇上げましょう。

「酔恋」です。この後、次のページにもう一行あります。
  皆で活きたあの店先で
この詩はきっとお父上のことを書かれたものでしょう。
生前の松尾さんにはいろいろとお世話になりました。
ありがとうございました。

そうだ、奥付も上げておきましょう。
QRコードから彼女の世界へどうぞ。

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「鶺鴒」21

2024-01-18 11:38:33 | 
詩誌「鶺鴒」21をお贈りいただきました。



発行人は神戸の詩人、江口節さん。
いつもありがとうございます。

詩に多少の巧拙はあっても、同人全てが誠実に取り組んでおられます。
これは指導者のお人柄が反映しているのでしょう。いつも清々しい気もちで読ませて頂いています。

一つ紹介しましょう。

詩の巧拙でいえばもっといいのがあるかもしれませんが、わたしはこれが面白かったです。
増原順子さんの「棒のはなし」です。
どうってことない詩ですが、なにかとぼけた捨てがたい味わいがありますね。
その下の藤田良子さんの「あの頃」は、わたし個人的に興味深かったです。
「あなたには五日遅く 私には五日早い 誕生日会」というのが。
わたしがなぜ興味を持ったかは、知る人ぞ知る、ということで。
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投稿欄のドラマ

2024-01-15 09:07:37 | 
今日の神戸新聞「読者文芸欄」の入選1作目。田中順子さんの「十月二日」です。


時里さんの詩評を読んで胸を打たれた。

これが、新聞の読者文芸欄のありようの一つかもしれない。ドラマチックだ。
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