初心者のクラシック

有名な曲からおすすめの曲まで、できるだけ初心者にも分かり易く紹介します。

オーケストラって何ですか?  「N響アワー」から

2009年04月14日 | テレビでクラシック
たまには、テレビでクラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日は「N響アワー」から“オーケストラって何ですか”です。

「テレビでクラシック」というカテゴリーを作ってから早数年。ドラマやアニメで放送される「のだめカンタービレ」などを中心にお送りしてきたこのブログ。

クラシックのコンサートはおろか、CDすら一度も聴いた事がない人でも、「あなたの知ってるクラシックのテレビ番組は?」と聞かれば、間違いなくこの番組の名前を答えてくれるハズでしょう!

ブログでもいつか紹介しよう、と思いながらも時は流れ・・・、何回か録画して特徴をつかんでから、どんな角度で紹介しようかと思っていたら、テレビ番組表を見ると「オーケストラって何ですか」というこのサブタイトル。時は春!番組改編のこの時期に改めてスタートするためのこの企画に乗ってみよう!という事で、今日は「N響アワー」を紹介してみます。

既にご存じの方も多いこの番組ですが、この番組を語る上で外せないのが「池辺晋一郎さん」作曲家として多くの作品を手掛け、ウィキペディアを覗くと、その音楽を手掛けたからなのか?大河ドラマや朝ドラにも出演した事がある多彩な才能を発揮するこの人。吹奏楽コンクールの課題曲も作曲しているので、そちらをご存じの方も多いハズ!

しかし!!チャンネルを合わせてもリニューアルした「N響アワー」に彼の姿は無かった・・・!ニュースですよコレは!マジですか!ホントですか!!!
(この話は後にするとして、まずは番組紹介・・・)

【N響アワー】
放送局 :NHK教育テレビ
放送日時:毎週日曜PM9:00~(5週目はオーケストラの森)
司会  :西村朗 岩槻里子
演奏  :もちろんNHK交響楽団


番組オープニングとしてシューマンの「ライン交響曲」のテーマが流れて現れた司会の二人は・・・、西村朗さん(作曲家)と岩槻里子アナウンサー。

そしてこの日のテーマは「オーケストラって何ですか?」ということで、番組でも4月を迎えて原点に返って、まずはオーケストラについての素朴な疑問に応えよう!ということのようです。

そして、まずは西村さんの考える「オーケストラの3つ条件」というフリップが登場。
①管楽器と弦楽器がある
②あらゆる音域をカバーする
③2人以上で弾くパートがある

そして岩槻アナが質問
「では、何人いれはオーケストラと言えるんでしょうか?」
これに対して、
「NHK交響楽団の場合は105名の正団員がいますね。但し、場合によってはこれより少ない人数で演奏することも、多い人数で演奏する事もあります。」

そこで、まずは時代をさかのぼって、モーツァルトの時代(18世紀後半ごろ)の編成は…、
弦楽器(ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス)に加え管楽器はホルン、オーボエ、ファゴットの3種類しかない。
小編成ですが、色彩豊かな表情を聴かせます。と紹介。
では、その編成の曲を聴いてみましょう~ということで曲へ。
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モーツァルト:交響曲第25番から第4楽章
ウラディーミル・アシュケナージ指揮 NHK交響楽団
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そして次の質問。
岩槻アナ「リコーダー(立て笛)はどうしてオーケストラに含まれないんでしょうか?」
西村さん「オーケストラは大編成ですから、音が小さいと存在感が無くなってしまうんですね。」
岩槻アナ「じゃあオーケストラの楽器はどうやって決まるんですか?」
西村さん「管楽器はその音色の持ち味や、音量も当然ですが、・・・オーケストラは時代を経て様々な楽器を加えられたり外されたり、淘汰されながら決まっていくんですね。」
そして、リコーダーはリードの無い楽器としては、フルートやピッコロ等がその役割を果たしているそうです。

一方、オーケストラの編成はその後、
モーツァルトの時代から約50年後、ベルリオーズの時代は・・・、
弦楽器に加え、木管楽器の種類も増え、金管楽器、打楽器が登場。とにかくたくさん。
これら大編成のオーケストラは、ピアノの全音域をほぼカバーしています。
そして、オーケストラの編成が大規模になると、それまで、ピアノで曲想を考えて作曲していた作曲家たちも、オーケストラの個々の楽器の音をイメージして、その楽器を前提に曲を作るようになっていきます。
ベルリオーズなんかはその典型みたいなものですね~ということで曲へ
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ベルリオーズ:幻想交響曲から第5楽章
小林研一郎指揮 NHK交響楽団
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ところで、オーケストラといえば管弦楽(管)(弦)といえば、日本の伝統音楽の雅楽も(管)(弦)を使っていますが、西洋のオーケストラの奏でる音とはかなり違ってますね。
それは・・・西洋のオーケストラがハーモニー(和音)で音楽を構成していますが、雅楽にはハーモニーが無い。旋律はあるけどハーモニーはない。雅楽は別ルールで旋律を重ねることで音楽を構成しているんですね。
(そして、雅楽のちょっとしたしくみやハーモニーの基音や倍音についての説明がありましたが、ちょっと難しかったので省略)
そして、オーケストラには雅楽には無い金管楽器がありますが、この金管楽器が発達すると、オーケストラの中でハーモニーを構成する重要な役割を果たしているんですね。
そんな金管楽器の重厚な音楽の例として、ブルックナーの交響曲第7番の映像が、1分ほど流れます。
資料映像が終わり、
ブルックナーの壮大なスケールもオーケストラの醍醐味ですが…、
ちょっと待てよ…、大編成の魅力もいいが、もう少し楽器の運用を考えなおしてみようとしたのがブラームスなんですね。
ブルックナーやワーグナーに比べると小編成の曲を書いた作曲家です。
たくさんの楽器を使うのもいいですが、限られた編成で“運用の妙”をうまく使ったのが、ブラームスの交響曲第1番ですね~ということで曲へ
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ブラームス:交響曲第1番から第4楽章
ヘルベルト・ブロムシュテット指揮 NHK交響楽団
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演奏が終わると、「量より質」ですね!とひとこと。

そして最後に「だん吉・直美のおまけコーナー!」じゃなかった(齢がバレるよ…)
【西村朗の今宵もカプリッチョ】のコーナーです。
テーマ「プルトとパート」
パガニーニのカプリスが軽やかに流れると、譜面台を前にヴァイオリンを持った2人。
「プルト」というのはドイツ語で譜面台のことを言うんですね。そして、ヴァイオリン等の弦楽器は、2人でひとつの譜面台を共有するんですね。そして、楽器を構えてみましょうか、(2人が演奏のふりをすると)隣同士の動きに気をつけながら、一人は、譜面のページをめくらないと、いけないんですね。
そして、それがコンサートマスターとペアの場合、コンサートマスターは他の楽器にも目配りしながら演奏する訳ですから、そのペアのひとりはそこにも気をつけなければいけません。
「だから、オーケストラの演奏というのはそうした小さな単位のチームワーク、コンビネーションが広がりとなって輪となって、大きな演奏、名演になっていくんですね。」

※曲目のリンクはこのブログで書いた記事のページにつながります。
※ちなみに、今回はビデオ録画しましたが、2人のコメント解説には一部省略と、その上で発生する独断と偏見の上に内容を編集してありますのでご了承ください。


こんな感じで、4月12日分の番組内容を紹介してみましたが・・・、番組改編期で、改めて紹介してみた「N響アワー」
これまでの放送だと、今回みたいにテーマを設定してその曲の一部をいくつか聴いていくパターンと、N響の定期演奏会から1時間に収まる曲をまるまる一曲放送するパターンもやってました。
そして、「N響アワー」のホームページを確認すると、今回がリニューアルしてからの2回目だったんですね!(見るまで知らんかった。)

そんな訳で、今回は「オーケストラって何?」というテーマでしたが、改めて友達から聞かれても、「知らないの?コレ」とか言って、普通にCDのジャケットに写ってる写真とか見せたりしてしまいそうですが、
「オーケストラの定義」を聴かれると、これだけいろいろ聴いたり紹介したりしてても、「・・・。」と、ちょっと困ってしまいますよね。
まぁNHKらしいと言えばらしいですが、まさか「雅楽」の話になるとは・・・。


そして、「後ほど」と言った池辺晋一郎は!と思ったそこのあなた!今回は想像以上に長くなってしまったので、彼についてはこの下にアップしましたので引き続きどうぞ。個別記事でアクセスの方は「前の記事」でどうぞ。



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