初心者のクラシック

有名な曲からおすすめの曲まで、できるだけ初心者にも分かり易く紹介します。

グランドフィナーレ

2009年04月05日 | どれにしよう?
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日は、グランドフィナーレです。

さて、演奏時間がやたら「長い」という事でも、広く知られているクラシック音楽ですが、普通にシングルCDとして販売されている歌謡曲、POP、ロックならばたいてい4~5分というところですが、

クラシック音楽の場合、協奏曲なら約30分、交響曲に至っては曲にもよりますが、1時間を超える作品も珍しくはない長時間の演奏。コンサートなら、そのために足を運んでいますから、特に問題はないでしょうが、自宅でCDを座って1時間!というと、ちょっとキツイと言われても仕方がないかもしれません。

もちろんクラシック音楽だって、15分程度の短めの組曲があったり、交響詩、や序曲を単独で聴けば10分程の曲もありますが、それにしても他のジャンルと比べると、やっぱり長め・・・。

そこで、今回思いついたのが、だったら“終楽章”だけを聴いてしまえ!というちょっと乱暴な聴き方!

30分を超える協奏曲や交響曲は、作曲家もそれなりに時間をかけて作った作品のラストを堂々と飾るべく、見事なまでのオーケストレーションを駆使して豪華にまとめられた作品も数多くあります。
そんな作品を、例によって個人的な独断と偏見に基づいて、今日もいくつか紹介してみようと思います。


【交響曲第2番~第4楽章:ブラームス】
弦楽器がサラッと始まる終楽章、しかし急に勢いをつけた弦楽器の勢いは強く、ティパニがドロン!と響けば、そこからはグイグイと引っ張られるかのように、次々と先へ進んでいきます。
後半からは勢いにのった弦楽器が金管楽器を従えるように鋭いフレーズバシッと決めていきます。

【交響曲第3番「オルガン付き」~第2楽章(後半):サン=サーンス】
いきなり鳴り響くオルガン!そして分厚く重なる弦楽器、軽やかに流れるピアノのフレーズが終わると、大音響のオルガンに続いて高鳴るトランペット!
一旦、苦悩にあえぐ表情を見せるも、ホルンが呼びかけると、フルオーケストラ総動員で迫力のラストスパート!輝くトランペットにオルガンが圧巻です!

【交響曲第5番「運命」~第4楽章:ベートーヴェン】
「運命」交響曲と言えば、誰もが知っているのは、第1楽章の「ジャジャジャ、ジャーン!」の部分ですが、この交響曲をしめくくるには、更なるパワーが必要です。
3楽章から引き続き始まるアクセル全開のトランペット!それに続く弦楽器も大はしゃぎ!勝利の雄叫びを、あちこちに言いふらすように、めくるめくオーケストラ!「おおげさ」と言われようが、とにかく最後まで突っ走れ!

【交響曲第5番~第4楽章:チャイコフスキー】
チェロのしっとりとしたフレーズが綺麗に流れると、爽快感が走ります。
そして遠くから近付いてくるかのようなトランペットの音色。いよいよこれからと、高まる期待感。ティンパニのドラムロールから一気に加速するテンポ。
はやる、木管楽器に弦楽器、そして現れるトロンボーンのファンファーレ!
何度も寄せては返す波のように、繰り返すたびに高まる緊張感。一度静かになり、
トランペットから始まるメインテーマ。ゆっくりとテンポを刻みながらも、クライマックスを迎えるべく盛り上がる金管楽器、エンディングも華やかに決めまります。

【交響曲第8番~第4楽章「イギリス」:ドヴォルザーク】
迫力のあるのは第9番だけじゃない!
高らかなトランペットのファンファーレで綺麗に始まるものの、弦楽器がサラリと前置きをして、一旦トランペットが鳴り始めると、もう止まらない。
唸るトロンボーン、吠えるホルン。フルートが心地よく響くと、更に盛り上がる金管楽器のオンパレードがたまらない。

【組曲「展覧会の絵」~キエフの大門:ムソルグスキー作・ラヴェル編】
トランペットのファンファーレからオーケストラの合唱へ、いったんは静かになるものの、勢いをつけて、もう一度、チャイム(鐘)が鳴り始めると嵐の予感再び、
豪快な金管楽器が最後の力を振り絞るような壮大なラストは一度聴いたら忘れられない!


※曲目のリンクはこのブログで書いた記事のページにつながります。


という訳で、「グランドフィナーレ」ということで紹介した終楽章。(組曲のラストも入れましたけど)どの曲も初めて聴いたときの鮮烈な印象が今も忘れられない。
ベートーヴェンは「第九」かな?とも思いましたが、これは終楽章だけでも長いので「運命」にしてみました。今度こそマーラー!とも考えましたが、やはり同じ理由で今回もパスです。この他にも豪快なラストを飾る曲は、たくさんありますから、探してみると面白いかも?!

実は昔、一回こんな聴き方をした事があったんですね。なんとなく豪快でズバッ!と決まる曲を聴きたいなぁと思いながらいろいろ探してみるものの、やっぱり長いから、待ちきれないし・・・、「あ!」だったら終楽章だけを聴いてしまえ!とCDを並べて順番に聴いていったんですが、聴いてる時はノリノリでよかったんですけど、全部聴いたら結構疲れたりして、(CD聴いてるだけなのに)

そして、昨日の「怒りの~」もそうですけど、楽章単位でいろいろ紹介してますが、それぞれの曲を1度聴いて「あ!この曲いいかも?!じゃぁ全部聴いてみよう!」というのはアリだと思いますが、
初心者の方が注意したいのは、「好き」だからってそれ(同じ楽章)ばっかり何度も繰り返し聴いてしまうと、改めて全体を聴いたときにバランスがおかしく感じてしまうかも?!

やっぱり多少時間はかかっても、踏んだり蹴ったりの、すったもんだがあればこそ、終楽章を聴いた時の感動もひとしおなので、せっかく気に入った曲が見つかったなら全部聴いてみるのがオススメです。


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