御託専科

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さわらぎ野衣 研究

2011-02-20 23:44:35 | 書評
氏の「さわら」の漢字がどうしても出てこなかったので(MSIMEぼろい!)ひらがなで失礼。
さてそのさわらぎ氏、実に現代美術を鳥瞰させてくれるすばらしい案内人である。僕は以下の本を読んだ。

日本・現代・美術
「爆心地」の芸術
反アート入門

なにやら語りたいことは多くあるのだが、1-2だけ言っておく。
デュシャンがやったことは魔術を手品に変えることであった。価値ある美術だから美術館にはいっているのではなく、美術館に入るから価値ある美術だと思われるということ。そういう種明かしをやった、というかやってしまった。
芸術には芸術の分際がある。人間の生の経験や、さらに人間自身の高度さに比較すれば何ということはない。現に、過去の、うれしくも悲しくも忘れられない場面に芸術作品が強くかかわっているような人はほとんどいないように思う。

そのほかにも村上隆や岡本太郎の位置づけなどにもずいぶん示唆をえた。氏の本を持って今度は一度太陽の塔を見に行ってみようかと思う。

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