御託専科

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「ショック・ドクトリン」を読もう!

2011-09-25 18:25:58 | 書評
ナオミ・クラインの「ショック・ドクトリン」、ついに待望の翻訳が出た。要約は2008年11月1日のブログに詳しい。翻訳が出て多くの人に読まれるのはとてもよいことだ。などとえらそうに言っている小生もやはり日本語で読み直してはるかに密度高い理解が出来たと思う。
 なじみの無い方にざっと申し上げると、これは戦争、クーデター、テロ、自然災害などの惨事に便乗して新自由主義的資本主義をはやらせようとしてきたフリードマンとシカゴボーイズ、バークレーマフィア、ジェフリーサックスさらにIMFや世銀を告発するものである。取材は大変に厚く、おそらく正面から反論できる連中はいないであろう。いや、出来るものならやってみてほしいものだ。

 震災にかこつけたがごとき増税論やTPPの話が出ている現在、広く読まれるべき本だと思う。もちろん増税やTPPが一概に悪いということではない。しかし、震災にかこつけて論じられるならば災害に乗じた火事場泥棒的論議と疑わざるをえない(さらに根本的に言えば、復興資金を被災地に渡してそれで終わり、となぜ出来ないのか。復旧でなく復興とか言って、設計主義的思想を外部者が押し付けるのはおそらくよろしくない)。シカゴボーイズほど悪党でなくともその類の連中は大小わんさかいる。最近までの火事場泥棒どもの悪辣な手口はぜひ学んでおきたいものだ。

 そのようなわけで、ショック・ドクトリン、お勧めである。ぜひ皆さんで読んでいただきたい。
 

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